2018 Fiscal Year Research-status Report
学校ガバナンスの多様化に対応した行政による学校支援に関する実証的研究
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18K02301
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
福本 みちよ 東京学芸大学, 教職大学院, 教授 (40387410)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学校ガバナンス / 学校支援 / 指導主事養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様化する学校ガバナンスに対応した行政による学校支援システムの開発と、それに不可欠な学校支援者としての指導主事養成指標及び研修プログラムの開発にある。学校支援の在り方は支援対象の状況に対応したものでなければならない。学校ガバナンスが多様化するということは、学校改善に向けた有効な条件にも違いがあることを意味し、学校支援はその多様性に対応可能なものであることが求められる。本研究では、指導主事による学校支援機能に力点を置いた学校支援システムを構築している横浜市と、生徒の学習達成度の向上という教育政策目標の達成に向けて戦略的学校改善支援システムをすでに形成しているニュージーランド(NZ)の実証的比較研究を通じて、多様化する学校ガバナンスに対応可能な行政による学校支援のあり方を実証的に研究し、学校支援者(指導主事)の学校支援機能に関する養成指標及び研修プログラムの開発に取り組む。 30年度は、第一に日本・NZにおける学校ガバナンス改革に関する先行研究の整理、2017年10月のNZ政権交代後の教育政策の動向整理を行った。第二に《日本・NZにおける「学校ガバナンスの多様化」の実態整理》について、NZにおいて主要教育政策として展開されているCommunity of Learning(CoL)についての実態調査を行った。第三に《BESプログラムにみる効果のある学校像の分析とそれに対応した学校支援機能分析》について、上記のCoLに対する学校支援機関による支援の実態について現地調査を行った。第四に《学校支援機関及びEROにおける専門的支援者/評価者養成システム分析》について、先導的な学校支援機関であるEvaluation Associates の人材確保及び人材育成についてインタビュー調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した「研究実施計画」に沿って研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に則って、引き続きニュージーランドでの現地調査を行う。ただし、申請書に記載した Partnership School については、2017年度の政権交代による政策変更により制度として廃止されたため、学校ガバナンスの多様化についてはCommunity of Learning を中心に実態調査を行うこととする。 また、日本の各自治体で展開されている学校支援プログラム及び指導主事養成をねらいとした指導主事研修の分析を通じて、学校支援者に求められる力量を分析していく。
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Causes of Carryover |
【理由】31年度に予定していたニュージーランド現地調査が、計画よりも長期間で実施可能となったため、そのための経費確保の必要性が生じたため。 【実施計画】ニュージーランドでの学校支援に関する実態調査、及び学校ガバナンスの多様化に関する実態調査の経費として使用する。
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