2018 Fiscal Year Research-status Report
デンマークの若者支援に見る生涯学習実践と行政および非営利セクターの協働構造の解明
Project/Area Number |
18K02317
|
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
坂口 緑 明治学院大学, 社会学部, 教授 (10339575)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 生涯学習実践 / デンマーク / 通学制国民高等学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、デンマークの生涯学習実践に関し、若者の自立支援を実施する行政とNPOとの協働の仕組みを明らかにするために、調査を進めた。文献研究と調査研究の概要は次のとおりである。デンマークの社会教育に関心をもつ4名の比較教育学、政治教育学の研究者と活動している「デンマーク教育研究会」にて、3回の会合を持ち報告した。代表者もユネスコの学習都市、通学制国民高等学校、ジョブセンターの機能についてこの会合で報告を行い、有力なコメントをもらった。また調査研究として、2018年8月にはデンマークのコペンハーゲン大学とアメリカのサムフォート大学が共催するグルントヴィの国際的影響力に関するロンドンでの国際会議に参加し、東アジアセッションで報告した。2018年11月にはデンマークのエスビャー市、コリング市、スナボー市を訪問し、通学制国民高等学校とジョブセンターの機能についてヒアリング調査を実施した。2018年11月にはドイツのハンブルグにあるユネスコ生涯学習研究所を訪問し、学習都市の担当者に対するヒアリング、研究員との会議、図書館での調査を実施した。さらに2019年3月には、北欧教育学会にて報告し、コペンハーゲンではコペンハーゲン大学のアナス・ホルム教授とロンドンでの会議録、翻訳プロジェクトについて打ち合わせを実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年11月のヒアリング調査であらためて誠かになったのは、市ごとに異なる通学制国民高等学校の位置づけについてジョブセンターとの協働の方法についてもいくつかのパターンがある点である。今後は、現在まで継続してきた訪問調査を裏付けるような傘の上の組織からの評価、すなわち教育省および文化省の国内の政策およびEUの政策との整合性についての現地での文献調査および専門家に対するヒアリングが必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019度は、専門家に対するデンマークでのヒアリング調査に向けて情報を整理することと、国内でデンマークの社会教育に関する出版(翻訳および入門書)の企画を進めることを目指す。
|
Causes of Carryover |
ロンドンでのカンファレンスへの参加費が招待のため免除となり、かつ所属先から海外学会発表支援の補助を受けたため、旅費の一部が当初の予定よりもかからなかったため次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(6 results)