2019 Fiscal Year Research-status Report
「チームとしての学校」を機能させるマネジメントシステムの開発に関する日英比較研究
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18K02324
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
植田 みどり 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (20380785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イギリス / チームとしての学校 / サポートスタッフ / ティーチング・アシスタント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様な専門性を有した人材によって構成される教職員組織を効果的に活用し、学校の教育効果を向上させるためのマネジメントシステムを開発することを目的としている。2年目の本年度の研究成果を踏まえて、文献研究を継続するとともに、国内外のフィールドワークを行った。 第1に、文献研究では、教育組織論等の文献研究を行った。そこでは、多様な職務や多様な専門性を持った職種の人々が効果的に活動するための組織づくりの理論的な枠組みを構築できた。また同時に、このような組織づくりのためのリーダーシップ論等への研究の必要性が明らかとなった。今後はその点も踏まえた理論的な整理を行い、組織論とリーダーシップ論を基にした運営メカニズムの理論的基盤及び分析枠組みの検討を行う。第2に、政策分析及び、イギリスのティーチング・アシスタント及びサポートスタッフに関する様々な調査研究の先行研究を行った。そこでは、イギリスの教員以外の職を拡充する政策の成果と課題が明らかにできた。また、政策の成果を学力向上にすることでティーチング・アシスタントの役割や職務が変容し、より質確保や研修等が充実されてきているという新たな政策的な方向性を明らかにすることができた。第3に、国内外のフィールドワークを行うことで、現状及び課題を把握することができた。イギリスでは、2つの学校でのフィールドワークを行い、ヒアリング及び授業観察を行った。また国内でも、4つの学校でのヒアリング及び授業観察、3つの教育委員会へのヒアリング調査を行い、スクールサポートスタッフや校務支援員等の活動状況を把握するとともに、制度普及に向けた課題を把握することができた。ただ新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、年度の後半に予定していた国内及びイギリスでのフィールドワークを中止せざるを得なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響で2月~3月に予定していた国内及び海外調査がキャンセルとなったため、収集予定だったデータが収集できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、2年目に予定していたが実施できなかった国内及び海外調査の再度の日程調整を行い、必要なフィールドワークを実施して、データ収集を行い、分析する必要がある。 これらの調査の準備及び実施を、新型コロナウィルス感染拡大が収束したら早急に行う必要がある。 ただし、調査研究期間内に訪問調査が可能な状態にならなければ、研究計画の大幅な見直しが必要となる。そのことも想定しながら、準備を進めておく必要がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で予定していた国内及び海外調査ができなかったため次年度使用額が生じた。 昨年度、新型コロナウィルス感染拡大で延期した分の国内及び海外調査を、今年度中に、感染が収束し、国内移動及び海外渡航等が可能になった後に実施し、予算を執行する。
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