2018 Fiscal Year Research-status Report
大震災を契機とした地域・学校の復興・再生と人口減少社会への対応に関する研究
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18K02327
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 修司 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (70225944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 広美 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (20205959)
谷 雅泰 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80261717)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 九州北部豪雨 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年7月に短期集中型の大雨による水害に見舞われた福岡県朝倉市・東峰村を訪問し、元東峰村立東峰学園校長と元朝倉市立松末小学校長及び松末地域コミュニティ協議会局長から聴き取りを行った。当時の水害発生時の状況とともに、その後の学校での避難状況、救出状況、そして水害後の学校の、現在までの状況について整理した。水害の発生が予想されない中で混乱が見られたが、教職員の適切な対応によって、子どもたちには大きな被害が及ばなかった。また、学校再開後も子どもたちのケアが適切に配慮されていた。地域で家が被災した子どもたちもいたが、就学に大きな影響が及ぶようなことはなかったようである。被災を契機として、避難訓練や、地域との関連の見直しが行われていた。この成果については、教育科学研究会の機関誌である雑誌「教育」に発表した。そこでは、宮城県の状況と福島県の状況についても分析を行った。震災後8年を過ぎ、なお復興が進まない状況の中で、子どもたちを支える取り組みが行われていることを分析した。 10月には、秋田県東成瀬村を訪問し、教育委員会及び東成瀬小学校、東成瀬中学校において、教育長、小学校長、中学校長からの話を伺った。人口減少が進む中で、東成瀬村が取り組む学力向上策とともに、地域と一体となった教育の展開について状況を知ることができた。また、岩手県陸前高田市立高田小学校では、校長から被災後の現在の子どもたちと学校の状況について話を伺った。さらに、大槌町と陸前高田において、語り部ボランティアの方から町の現在の状況について現地案内を含めて聞くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島を中心としながらも、温暖化などにより想定外の水害等が各地で発生している。それらの災害が学校や地域に与える影響について今後も調査する予定にしており、今年度はその第一歩として2017年度の九州北部豪雨の被災地を訪問調査した。また、東日本大震災の被災地への訪問調査も継続している。今後、2018年の西日本豪雨の被災地への訪問調査を予定しており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は西日本豪雨の被災地である岡山県倉敷市の真備地区への訪問調査を行う。その結果については、教育科学研究会の大会において発表を行う予定である。また、今年度は東日本大震災の宮城の被災地での取り組みについても調査を行う予定である。また、日本教育政策学会において、地域と学校との関係性に関するシンポジウムを開催するなどして、研究を深めることとしている。
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Causes of Carryover |
2018年度については、研究調査の第一段階であり、調査対象を検討することも同時並行で行っていた。そのために残額が発生した。2019年度においては残額分も含めて、調査対象先を広げる予定であり、有効に使用することとしている。
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Research Products
(4 results)