2020 Fiscal Year Research-status Report
授業における教師の道徳的判断に関する実態調査に基づく実証的研究
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18K02330
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
増田 美奈 富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (80736885)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教師教育 / 授業研究 / 教師の判断 / 道徳的判断 / 教職の専門性 / 協同的な学び / 探究的な学び |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,予備調査として2019年度に行った研究対象校での授業の参与観察と教師へのインタビューの記録データの分析を行った。また,同時並行で,2018年度から引き続き,協同的な授業における教師の道徳的判断の特徴を明らかにするための理論枠組みの構築を行った。 その成果として明らかとなったのは,ガート・ビースタ(G.J.J.Biesta)が提起する教師の授業実践に伴う3つの重要な判断についての論考が,授業において機能する教師の価値判断に内包される,教室外からの影響を解釈する際の重要な視点を提供するということである。「何のためにその活動や行為を行うのか」という教育の目的に関わる教師の判断を,ビースタによる「資格化」「社会化」「主体化」の観点で解釈することで,授業中の教授行為に働く教師の価値判断に,例えば,学校の中に持ちこまれる新しい教育政策や方針,社会から学校に向けられる無言の期待や要請等がどのように影響を及ぼしているのか,詳細に迫ることができることを見出した。 2020年度に行う予定であった研究対象校での本調査は,新型コロナウィルス感染症に係る休校措置等により行うことができなかったため,2020年度に明らかとなった視点でさらなる調査はできなかったが,現在,昨年度までの調査と合わせてデータの分析と整理を行っているところであり,その成果は次年度に論文として報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度予定していた本調査(研究対象校への参与観察と教師へのインタビュー)が新型コロナウィルス感染症の拡大により実施不可能だった。 また,それへの対応等により,本研究の分析,整理が遅れ,2020年度に予定していた学会報告を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は,協同的で探究的な授業において機能する教師の道徳的判断の特徴について,実態調査に基づく事例分析を通して実証的に解明することである。 次年度はまずは,2020年度から中断している研究対象校への本調査を,対象校と連絡を取り合いながら,再開させたい。 また,研究成果を論文発表することで総括し,子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す教師たちの研修等において,これまでその具体が捉えにくかった授業における教師の判断についての新たな知見を提供することを目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,予定してた学会への不参加による参加費と旅費の未使用,インタビュー文字起こしの業者への依頼費の未使用である。 次年度は,今年度参加できなかった学会に参加し,繰り越した備品購入等を行う予定である。また,研究関連書籍を購入する予定である。
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Research Products
(2 results)