2020 Fiscal Year Research-status Report
公教育の構想指針原理に基づく実践理論体系の展開に関する研究
Project/Area Number |
18K02337
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
苫野 一徳 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (70507962)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育学のメタ理論体系 / 公教育=教育学の構想指針原理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「教育学のメタ理論体系」を精緻化すると共に、これに基づいた実践理論群を構築・展開することにある。 令和2年度は、このメタ理論体系をほぼ完成するに至り、令和3年度に『学問としての教育学』として日本評論社より出版見込みである。 加えて、令和2年度は特に新型コロナウィルスによる問題で教育界が大きく揺れ動いたことを受けて、本研究に照らして今後の学校教育や教育学のあるべき姿を具体的に示す研究も多数行った。そもそも何のための教育かという、これまでの研究で明らかにしてきた哲学原理(公教育=教育学の構想指針原理)をベースに、これからの学校や教育学はどうあるべきか、複数の著書や論文等で提示した。特に、これまでの研究で示してきた「学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合」への「学びの構造転換」をはじめ、「市民社会の土台としての公教育」の具体的あり方を提起することで、全国の多くの自治体や学校等において、その「構造転換」に向けて共同での実践的研究及び実践活動を活発化させた。その成果は、論文「そもそも学校とは何かーwithコロナを契機とした教育転換の方向性」や「ウィズコロナのなかでの公教育の役割 」、また共著書『ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと』や『教育委員会が本気出したらスゴかった。 ーコロナ禍に2週間でオンライン授業を実現した熊本市の奇跡』等への寄稿等で発表してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初考えていた「教育学のメタ理論体系」の意義が、コロナ下における教育界の混乱を契機にいっそう深く自覚され、理論的展開が飛躍的になされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
教育学のメタ理論体系が、当初の予想より深化した形で提起できる見込みとなったため、今年度は予定を早めて、教育学諸領域への展開を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスのため出張が全てキャンセルとなったため。 今年度の予算は当初計画通り使用する。
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[Book] 現象学とは何か : 哲学と学問を刷新する2020
Author(s)
竹田, 青嗣, 西, 研, 石川, 輝吉, 岩内, 章太郎, 苫野, 一徳, 平原, 卓, 山竹, 伸二, 行岡, 哲男
Total Pages
320
Publisher
河出書房新社