2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Basic Concept and Reform Principles of Articulation
Project/Area Number |
18K02339
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
清水 一彦 山梨大学, その他部局等, 理事 (20167448)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アーティキュレーション / 学校段階 / 子どもの学習する権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、教育段階間のアーティキュレーション(接続関係)の基本理念を明らかにし、制度改革の原理・原則を抽出・明示することを目的としている。最終年度に得られた知見は、以下の通りである。 (1)教育制度改革におけるアーティキュレーションの研究の必要性は、①トータルな観点から教育制度をとらえること、②子どもの視点を大事にすること、③アーティキュレーションの問題を入試問題から教育内容・方法の問題へとシフトすること、④連続面とともに非連続面を考えること、⑤子どもの学習する権利という観点から移行期の教育を考えること、にある。 (2)上記の⑤と関連するが、アーティキュレーションの基本理念は、「個としての成長・発達」と「学習者としての発達」の両側面の発達を考えなければならない。すなわち、フォーマルな学校制度の各単位を通しての人間的成長・発達という側面と、学校で教授されるさまざまな訓育や技能を通しての学習上の進歩という側面である。学習を通して子どもの発達を助長する学校制度においては、こうした「個」と「学習者」との両側面の発達が同時に求められるのである。アーティキュレーションが、こうした両側面の発達を同時に保障すべき学校段階間の接続関係であるといわれる所以である。 (3)アーティキュレーションの問題領域については、3つに分けることができる。つまり、構造的側面、内容的側面、そして運営的側面である。次に、接続問題の関係を3つのレベルで考えることが重要であることを指摘した。縦の接続、横の接続、それに大学と社会との関係を示す斜めの接続である。 (4)以上の分類に基づき、アーティキュレーションの基本的原理を7つ抽出することができた。まず、構造的側面に関しては、開放性と選択性を、内容的側面に関しては、共通化、生活化、個性化である。また、運営的側面に関しては、親密性と協働性という原理である。
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