2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Childcare and Educational Environments Encouraging Young Children's Spatial Reasoning
Project/Area Number |
18K02344
|
Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
渡辺 敏 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (90739559)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 幼児保育 / 図形教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の結果を2022年9月に行われたEurope Early Childhood Education Research Association (イギリス、グラスゴー)で発表した。参会者からは子どもの豊かな造形遊びを作る環境づくりが大切であるとともに、そこでの子どものやる気を育む教育者の働きかけが大切であるという意見をいただいた。また、幾何学玩具で上手に遊ぶ子どもと、そうでない子どもをどのように関わらせ、互いの学びを伸ばせばいいかを検討すべきという意見もいただいた。ヨーロッパの研究では個に焦点を当て、その子どもの発達過程についての研究が多いが、本研究では子どもたちのクラス全体がどのような学びを得て、その中で個々の子どもたちがどのような成長を見せたかに焦点を当てている文化的な研究の背景も分かった。本研究からは子どもたちが作った作品を表示するドキュメンテーションを行うことが子どもたちの学びを深めることに良い影響があることが分かった。特に立体図形の攻勢が苦手な幼児がドキュメンテーションを参考にして、これまでに作ることのなかった複雑な立体の作成に取り組み、組み立てることができた。 これまで保育現場では小学校につながる数や図形の活動は、数詞を学ぶ学習や順序を学ぶ学習に時間が割かれ、図形や測定、パターンを見つける学習などに時間があまり用いられてこなかった。これらの先行研究もとに、次年度以降、さらに子どもたちの豊かな幾何学遊びができる計画を立てた。日野市の幼稚園に依頼し、幾何学玩具遊びと、その遊びの様子を撮影した画像をドキュメンテーションとして掲示することで子どもたちの遊びがどのように変化するかを研究する。また、子どもたちの幾何学に関する言葉の理解や認知が進むような話し合いの持ち方を幼稚園教諭と研究者で相談し、実際にクラスの学習として行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ渦の影響がまだ残り、保育園や幼稚園での実践を行うことが難しかったことが最大の理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染症法による位置づけが変更されたことにより研究環境も改善されていくことが予想される。今後、日野市の近隣の保育施設に協力を仰ぎ研究を進めたい。特にこれまでの研究で子どもたちが自分たちで作った幾何学作品の画像を表示することはお互いの遊びに良い影響を与えることが分かったので、どのようにお互いの遊びの様子を広め、各自の遊びの発展につなげるかについて現場の先生とともに指導方法の改善につなげたい。
|
Causes of Carryover |
保育所や幼稚園での実践が十分に行うことができなかったため未使用金額が発生した。次年度、新型コロナウイルス感染症の感染症法による位置づけが変更されたことにより研究環境も改善されていくことが予想される。日野市の近隣の保育施設に協力を仰ぎ、特に幼稚園での幾何学玩具を用いた遊びを計画している。そのため、幾何学玩具の代金としてポリドロン6セット(1セット35200円)211200円を支出予定である。また、これまでの研究の成果の発表として The 26th ICMI Study: Advanced in Geometry Education(France) の旅費として40万円、15th International Congress on Mathematic Education( Australia)での発表の旅費として30万円を予定している。
|