2022 Fiscal Year Research-status Report
女子中等教育の大衆化と実科高等女学校設置形態の類型化に関する実証的研究
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18K02348
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
冨士原 雅弘 日本大学, 国際関係学部, 教授 (30339238)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 実科高等女学校 / 郡立移管 / 県立移管 / 組織変更 / 県会 / 郡会 / 郡制廃止 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究計画にしたがって次の3つの作業をおこなう予定であった。①基本文献・基本史料の収集・分析とデータベースの作成、②最終成果を全国学会で発表し論文を投稿、③成果報告書の作成。これらの具体的な進捗状況は以下のとおりである。 ①の作業は、2022年度途中から新型コロナウイルス感染拡大防止に関する規制が緩和されたため順調に進んだ。具体的には、2020年度・2021年度に実施できなかった佐賀県、青森県、高知県、京都府、滋賀県、富山県、山口県での史料調査・収集をおこなうことができた。現在は、収集した史料の整理・分析・データベース作成をおこなっているところである。 ②については、コロナ禍による研究計画の停滞によって実現できなかった。なお、全国学会での口頭発表は、2020年度に日本学習社会学会第17回大会において大分県の事例をとりあげて報告をおこなった内容を投稿する予定でいた。内容は、大分県速見郡内の組合立杵築実科高等女学校(杵築町)と組合立日出実科高等女学校(日出町)との誘致合戦にともなう戦略を考察することで、地域における女子教育に対する意識を浮き彫りにしたものである。この発表については論文化を進めているが、史料の最終確認が必要であるため再度の調査を経て学術誌への掲載を予定している。 ③については、研究成果報告書の作成には至らなかったが、本研究課題の成果の一部として2022年3月に単著『近代日本の女子中等教育と地域 ――実科高等女学校の組織変更・県立移管をめぐる町村の戦略――』(CoPress、ISBN978-4-906808-29-8)として上梓した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のとおり、2022年度途中から史料の調査・収集を再開できたが、2020年度・2021年度のコロナ禍にともなう移動制限によって研究計画が全体的に遅滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である2023年度は、基本的には全国学会での発表、全国学会誌への投稿を予定している。新型コロナウイルスの感染状況にともなう行動制限等によるが、原稿執筆に際して補足史料が必要になった場合、国立公文書館や対象府県での調査・収集・分析などが必要になった場合は随時おこないたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由は、コロナ禍によって基礎的史資料の調査・収集ができず、研究計画が遅滞したことが主たる要因である。 今後の使用計画については、新型コロナウイルスの感染状況によるが、原稿執筆に際して補足史料が必要になった場合、国立公文書館や対象府県での調査・収集等に使用したいと考えている。
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