2020 Fiscal Year Research-status Report
Founding the moral education curriculum scientifically through the research on the value-education in State Bayern, Germany.
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18K02349
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
藤井 啓之 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (70253044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英児 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40324173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 価値教育 / コンピテンシー志向 / レールプランPLUS |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツのバイエルン州における学校での価値教育に関して、2019年度末の学校(中等学校、ギムナジウム、特別支援学校)訪問時の観察や、関係者への聞き取り調査の振り返りを行い、その時の収集資料やその後入手した文献等を分析・検討し、要約を作成、研究分担者間で共有した。 また、価値教育強化の政策立案に関連するバイエルン州議会議事録の分析と、その、教育文化省における価値教育イニシアチブの立ち上げの関連を検討しつつ、それまでの価値教育に関する議論がどのように整理されてきたのかを明らかにした。 さらに、近年の教育全般のコンピテンシー志向政策が価値教育に及ぼしている影響を分析した。とりわけLehrplan PLUSによって、価値教育が学校種横断的、教科横断的な目標に位置付けられたことによって、各教科のなかに価値教育が織り込まれるようになった経緯を明らかにした。 以上のことから、バイエルン州での価値教育実施の社会的背景や価値教育の立ち上げのプロジェクト、近年の教育政策動向による価値教育の展開など、バイエルン州の価値教育に関して、目的、内容、実施主体、さまざまな具体的価値教育のアプローチ等について全体的、構造的に整理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナによる渡航禁止等によって、資料収集や現地でのインタビューなど、必要な作業が実施できていない。最終年度を一年延長したが、新型コロナの再流行によって、現地訪問の目途がたっていない。 不十分ながら、可能な限りweb上にある資料の収集を行い、それらの分析をすすめるとともに、ドイツの研究所や教員へのオンラインインタビューを行ったり、オンライン研究会の実施を計画しつつあるのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、バイエルン州の価値教育の全体像(バイエルン州憲法、議会での議論、教育政策との関連、またこれまでの価値教育をめぐる理論的な議論)を描きつつ、価値教育強化の動向を、政策と具体的実践の関連から明らかにする。 渡独の可能性はさぐりつつも、可能なところからテレビ会議やメール等での質問での調査をすすめる。また、先方の都合をさぐりつつ、研究を深めるために、オンラインシンポジウム等の企画を検討する。
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Causes of Carryover |
ドイツでの現地調査を前提に計画していたが、新型コロナのドイツでの流行、および日本での流行のため、現地調査ができなくなった。また、学会がオンライン開催になったことで、国内旅費も使用することがなかった。 2021年度の予算使用額は、渡独が可能であれば、現地での聞き取りに35万円×2人分を使用するが、不可能な場合には、オンラインシンポジウムを開催(通訳、謝金等を入れて20万円程度)し、最終年度報告書の作成・印刷に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)