2021 Fiscal Year Research-status Report
Founding the moral education curriculum scientifically through the research on the value-education in State Bayern, Germany.
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18K02349
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
藤井 啓之 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (70253044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英児 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40324173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 価値教育 / 道徳教育 / いじめ・暴力 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本およびドイツとも、新型コロナの影響があり、所属大学の制限もあって、予定していた海外調査ができなかった。仮に訪問できても、面会や学校参観などが難しい状況であった。 その一方で、これまでに収集した資料の検討・整理を行うとともに、ISB(Staatsinstutut fuer Schulqualitaet und Bildungsforschung Muenchen)が発行する価値教育に関する資料(Webベースのものも含めて)を可能な限り収集し、共同研究者と共有すべく、一部、翻訳作業をすすめている。また価値教育と隣接する社会的学習(暴力・いじめ防止等)に関する資料も収集し、ISBのなかで価値教育と社会的学習が理論的・実践的にどのように関連付けられているのかについて検討をすすめた。また、そもそも価値教育導入の背景に大規模な若者調査があることがわかっているので、その後の若者調査やそれに関する議会資料なども収集しており、今後、これらの動向で価値教育への影響があるのかどうかをさぐっているとこである。 さらに、ドイツの価値教育を相対化して位置付けるために、日本での道徳教育に関する先行研究論文を、性格教育、価値明確化、ジレンマ教材、ジャスト・コミュニティ論などに分類しながら収集するとともに、イギリスの道徳教育の研究動向に関する資料の収集も行った。 さらに、行政と連携して価値教育を行っているドイツの善行財団(Gute tat Stiftung)のミュンヘン地区担当者とコンタクトを取り、近年の実践例等についてについて照会を行い、すぐれた実践に贈られる賞を受賞した実践についての情報を入手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象地域も、新型コロナ対応に追われており、聞き取りなどの調査に対応しにくい状況がある。また、新型コロナパンデミック以前の資料は入手しているものの、その後の資料は、ネットで検索できるものに限られ、現地の担当者に直接会わないともらえないものなど、入手できていない。さらに、現地も新型コロナの影響で研究・実践が滞っており、新たな展開というほどの展開を見せていない。 そのため、既存の資料の整理等が中心となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
二年連続で最終年度を延長しているため、海外渡航の可不可にかかわらず、現地とのジョイントセミナーを開催したり、オンラインインタビューなどを駆使しながら、ドイツ・バイエルン地方の価値教育の導入・展開について一定のまとめを行う。具体的には、価値教育に関する基本的資料を一覧にし、その概要を記述しながら、価値教育導入の背景や経緯、価値教育の内容や方法をめぐる理論的・実践的な展開、価値教育を実施していく組織体制(公的機関や学校と財団等との役割や関連など)、注目すべき実践の概要報告等に整理していく。
また、ドイツに限らず、日本や英米での道徳教育研究の到達点を概観し、その中でバイエルンの価値教育の特徴を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
海外渡航を念頭に予算要求していたが、二年連続で新型コロナパンデミックの影響で渡航できなかったため、必要資料の購入以外に予算が使用できていない。 今年度は、ISBと善行財団への聞き取り調査のための渡航と報告書の印刷費等に使用する予定である。
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