2020 Fiscal Year Annual Research Report
フランスの農山村における小規模初等学校の存立―歴史的変遷と教育方法を中心に
Project/Area Number |
18K02351
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
赤星 まゆみ 西九州大学, 子ども学部, 教授 (50150975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 文 広島文化学園大学, 学芸学部, 教授 (10585269)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フランス / 学校と地域の協働 / 初等学校 / 小規模校 / 農山村学校 / 過疎地 / 教育方法 / 異年齢教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
農村や山間部などの顕著な人口減少と過疎化に伴う地域再編、農山村の小規模校存続や学校統廃合はフランスでも焦眉の急務となっている。本研究は、日本の状況を視野に入れ、フランスの小さなコミューンと小さな学校に注目して農山村部の小規模校の歴史・現状と最近の政策動向を明らかにすることを目的として取り組んできた。本研究に対するフランス農村部の学校・教育行政関係者や地域住民、大学研究者などの関心は高く、非常に多くの協力を得ることができ、驚くほど順調に進行した。2018年、2019年の2年間の調査で予定以上の進展があり、2020年3月から2020年度にかけて国際共同研究に向けた展開が準備されていたが、2020年冬からの世界的なコロナパンデミックの影響を受けて、2019年度末から2020年度にかけて予定した調査計画をすべて実施できなかった。また、フィールドワークの実施は今後も暫くかなり難しくなることも分かり、研究方針の見直しが余儀なくされた。 そこで、2019年の農村学校に関するOECD教育アナリスト論文(OECD Education Working Papers, No. 196)を精読し、フィールド調査に依拠しない研究を行うことができるように計画を組み直し、学力の視座から農山村の子どもの学習経験を鍵概念にして農村学校の教育の特長を分析する研究への変換を検討し、前年度申請を行った。その結果、「フランスの農山村地域における学校教育の特長―子ども・若者の学習経験を中心に―」という研究課題が2021年度に新規採択された。 従って、この新たな研究課題のなかに、本研究課題で得られた成果を取り込む。具体的には、フランスにおける小規模校の歴史的変遷とその理念的背景及び教育的・社会的意義の整理を行い、フィールドワークをした事例の分析を報告書にまとめ、刊行する予定である。
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Research Products
(4 results)