2022 Fiscal Year Research-status Report
ドイツにおける憲法の価値秩序に対応した私立学校法制の成立過程
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18K02355
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
遠藤 孝夫 淑徳大学, 人文学部, 教授 (70211779)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シュタイナー学校 / ヴァルドルフ学校 / 私立学校法制 / 私立学校の自由 / 基本法 / 私学助成 / 闘い |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第二次世界大戦後のドイツにおける私立学校法制が、ボン基本法(旧西ドイツ憲法)の価値秩序、すなわち自由で民主主義的な根本秩序の確立という価値秩序に合致するものとして認識されるまで「肥沃化」されてきた歴史的経緯を、シュタイナー学校(ヴァルドルフ学校)による自由と権利を求める闘いという側面から解明することにある。 この研究目的の達成のために鋭意努力してきたが、令和2年からのコロナ禍の影響により、ドイツでの調査研究ができないなど、大きな支障をきたした。このため、本来は令和3年度までの研究期間であったものを、令和4年度まで1年間延長措置を認めてもらった。しかし、令和4年度もコロナ禍に加えてロシアによるウクライナ侵攻の影響により、予定していたドイツでの調査研究を実施することが叶わなかった。こうした支障があったものの、以下の通りの研究実績を残すことができた。第1に、ドイツ敗戦後から再建されたシュタイナー学校が1970年代以降に学校数が急拡大した歴史的背景を明らかにすることができたことである。第2に、シュタイナー学校が私学助成の現状が基本法および州憲法の違反することを訴えた裁判を起こし、連邦憲法裁判所や州憲法裁判所に至るまでの裁判闘争を展開したことで、結果として私立学校法制が肥沃化し、シュタイナー学校を含む私立学校全体の利益となったこと、これらの裁判闘争を通じて、私立学校の自由な教育を公的に保障することが、自由で民主主義的な社会秩序という憲法の価値秩序に適うことである、との判決を導いたことを明らかにした。第3に、シュタイナー学校が1919年に創設後の約100年間にわたって、自らの理想とする教育を実現するために必要な自由と権利を拡大するために常に闘ってきた、その歴史的経緯を研究書としてまとめる作業を進めることができたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通り、コロナ禍およびロシアのウクライナ侵攻の影響を受けて、ドイツでの調査研究を実施することができなかったことから、「やや遅れている」との進捗状況となったものである。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、令和4年度に予定していたドイツでの調査研究は実施することができなったことから、令和5年度には是非ドイツでの調査研究を実施する予定である。現時点では、令和5年8月下旬にドイツ行きを計画している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍およびロシアによるウクライナ侵攻の影響により、予定していたドイツでの調査研究が実施できなかったことから、次年度使用額が生じた。令和5年度は、8月下旬にドイツでの調査研究を実施予定にしており、残金は全て使用する予定となっている。
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Research Products
(1 results)