2019 Fiscal Year Research-status Report
中央アジアにおける社会教育のエリア型ディシプリンと実践知の国際的援用の検討
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18K02364
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 明日香 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10534026)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会教育 / 中央アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、ヨーロッパ諸国とウズベキスタンにおける資料収集、フィールドワークを実施した。ケンブリッジ大学教育学部にて関連資料の収集、分析を行うとともに、イギリス国内の関連施設やケンブリッジ市内公立図書館などを訪問し、イギリス国内の教育、Social Pedagogyについての情報収集を行った。また、ロンドン市内の2か所のコミュニティセンターを訪問し、館内の視察や情報収集を実施した。さらに、イギリスにおけるSocial Pedagogy研究者や実践者に会い、またはオンラインミーティングを通し、研究や実践についての意見交換・情報交換を実施した。その他、関連資料の収集を行った。加えて、イギリス国内におけるESD、環境活動、社会教育と社会サービスなどについての情報収集を行った。 さらに、ウズベキスタンの研究者と社会教育、生涯学習、Social Pedagogyについての情報交換を行った。ウズベキスタンでのフィールドワークは計2回行い、地域社会の就労支援を行っている施設や博物館などの視察を実施した。 北欧諸国でもフィールドワークを進め、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーにおいて調査を行った。主に、フィンランドとスウェーデンのSocial Pedagogy研究者や移民の教育に関する研究を専門とする研究者との面談や研究打ち合わせを行った。 フィンランド・クオピオ市では、移民に対する支援活動、教育活動を展開している多文化センターを訪問し、移民に対して行っている活動についての聞き取り調査や施設視察、資料収集を実施した。さらに、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーの社会教育関連施設を訪問し、資料収集や視察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、ヨーロッパ諸国やウズベキスタンにおいて、複数回にわたりフィールドワーク、資料収集が実施できたため、おおむね順調に進展していると考えられる。ヨーロッパ諸国の社会教育関連機関や教育機関において、視察、資料収集を実施できたことにより、本科研テーマに関するデータを収集することができた。また、複数の施設でのフィールドワークの実施により、施設間、地域間の比較がある程度可能になったと考えられる。 さらに、ヨーロッパ諸国を中心に、Social Pedagogyの研究者とのネットワーク拡大ができたことも理由の一つに挙げられる。イギリス、北欧諸国を中心に、現在Social Pedagogy研究を進める研究者、実践者と研究交流を行うことができ、今後の共同研究の可能性が広がったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度のフィールドワーク及び研究ネットワークの成果をもとに、2020年度の研究を進めていきたいと考えている。特に、2020年度は本科研の最終年度であるため、フォローアップの調査や資料収集を行いながら、研究の総括を行う。 具体的には、これまでのフィールドワークなどで収集したデータを分析するとともに、論文の執筆を進めていく。特に、本研究を進める中で培った国際的な研究ネットワークに基づき、国内外のさまざまな学術雑誌などにおいて研究の発表を行いたい。 また、本研究テーマを継続させ、さらに発展させた研究を展開することができるよう、2019年度に形成した研究ネットワークをもとに、国際連携を深め、国際的共同研究の可能性を模索していく予定である。
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