2018 Fiscal Year Research-status Report
環境共生社会を見据えた市民としての資質向上を目指す融合型大学教育プログラムの開発
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18K02375
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
林 隆紀 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20264806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 精一 相愛大学, 共通教育センター, 教授 (40269824)
奥野 浩之 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (80552067)
沼田 潤 相愛大学, 共通教育センター, 准教授 (40735289)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 共生 / 地球環境 / 異文化 / 平和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、環境教育、異文化教育、法教育、歴史教育など、異なる分野を専門とする研究者の協働によって地球環境と共生の意識を持った主体的な市民育成を目指す大学教育プログラム開発を目的として計画したものである。3か年計画の初年度にあたるH30年度は市民としての資質とは何かについて考え、研究代表者、分担者それぞれが各領域において、その分野のプログラム開発を行うための基礎資料を収集すること、ならびに予備的調査を行うことを目標とした。まず研究代表者は、その後の模擬授業で使用する消耗品類、ならびに学習指導要領書籍などの購入を行った。さらにこれらを使用して、環境評価に関する大学授業内において、予備的調査の位置づけで、研究目的とデータ処理法についての事前説明を行ったうえで、いくつかのテーマについて授業展開、ならびにそれに伴う意識調査を行った。テーマは①大学生の意識する「環境」キーワードとは何か、②我が国のエネルギーバランスへの意識、③「豊かさ」概念への評価、④情報の提供内容、ならびに提示順による意思決定過程に関する知見、⑤情報入手発信利用法などとした。歴史教育を専門とする研究分担者は、国家間・国民間の共生の基礎となる平和や、その対極にある戦争に関する知見を得るための広島、福岡、大分への出張調査を行った。また異文化教育を専門とする研究分担者は静岡県にある外国人児童、生徒の学習支援の場として活動をスタートした多文化交流センターへの聞き取り調査を実施した。さらに法教育を専門とする研究分担者はAI時代の教育についてのセミナー参加を通じて、e-ラーニングコンテンツ作成における今日的課題について知見収集に努めた。 以上のように、初年度成果は異なる専門領域について、それぞれが研究テーマとすべき課題を発掘することに主眼を置く形となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
各研究者において、それぞれの専門分野に関しての問題意識の発掘を行い、ならびに研究テーマの考察・検討の端緒につくことはできた。しかし研究代表者が分担者として担当している他の課題である基盤研究Bの最終年度の計画内容がずれこみ、当該課題の全体研究会を計画通りには開催できなかったことが主な原因で、各自のもつ問題意識をもとに他分野の共同研究者と議論、共有する場を十分に確保できなかった。そのため共通テーマの全体共有とそのフィードバックによる各分野の深化が年度内にはできず、総合的なコンセプト形成と具体的プログラム開発への準備が遅れてしまう状況を招いた。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度成果において、各々のもつ問題意識は明確になっていることから、まずは全体でその問題意識を共有し、さらにはそれら複数のキーワードから検討すべき概念について議論を重ねる機会を設定する。さらに実践的なプログラム開発に落とし込むための具体的な調査研究を計画し、共同調査に積極的に取り組むことにより、概念をメタレベルで認知し、表現できるよう努力する。 また大学教育プログラムとして従来の環境教育、社会学教育でも多く取り入れられるフィールドワーク手法と、近年進化著しいe-ラーニング手法の融合がもたらす教育効果についての検討を始め、総合的な高等教育の深化について考察することへの足掛かりとしたい。
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Causes of Carryover |
平成30年度に計画していた出張調査が後ろ倒しになり、令和元年度に実施することになったため、それにまつわる費用を中心として初年度経費を繰り越して使用する。また2年目にあたる今期最初の全体研究会において、今年度以降の具体的な調査地ならびに調査計画を再確認した。それぞれの初年度研究成果に基づいて議論した結果、共同研究調査候補地として、異文化、平和教育の基本概念理解の題材として歴史的にも有益な資料を有する長崎県長崎市、本課題におけるe-ラーニング教育プログラム開発の具体的共通題材としての「公害」について、その解決のための施策とそれを環境教育に落とし込む取組みに対して長年にわたり実績を積み重ねている福岡県北九州市を第一候補として決定した。
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Research Products
(1 results)