2019 Fiscal Year Research-status Report
教員の協働性を高める研修プログラムの開発と効果の検証
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18K02379
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Research Institution | Osaka Seikei College |
Principal Investigator |
網谷 綾香 大阪成蹊短期大学, 幼児教育学科, 教授 (90404110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 泰彦 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70436450)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 協働性 / チーム学校 / 教員研修 / 研修教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,教員の協働性を効率的に高めるための方策として,教員を対象とした研修プログラムを開発することを目的としている。そのためのツールとして教師の葛藤状況を扱った研修教材「クロスロード教育相談編」の改良版を作成し,教員の協働性を高めるために有効な活用方法について検討することとした。 この目的を達成するために,2019年度は以下の2点について取り組んだ。 (1)前年度に改良した教材「クロスロード 教育相談編」を活用した研修の実施 「チーム学校」を担うキーパーソンとなり得る教育相談担当者・養護教諭を対象とした研修会を実施し,事後アンケートからその効果を検証した。アンケートの結果から,教育相談担当者や養護教諭は,校内研修等で本教材を用いることで協働性を高める可能性を充分に期待できると評価していることが明らかになった。この成果をもとに教育心理学会の自主企画シンポジウムにおいて話題提供を行い,教員対象の研修会のあり方について現職教員やスクールカウンセラーと様々な角度から議論を行った。 (2)新たに開発する「チーム学校編」作成のための調査 小中学校教員,スクールソーシャルワーカー,学習支援員を対象として「チーム学校」を意識したときにどのような葛藤が生じやすいかについて調査を行った。この調査は,新規開発する教材において,教員間や他職種間で協働する上での困難や葛藤事例を扱った問題カードを作成するための調査である。一定数の事例を収集することができたが,サンプル数がまだ充分ではないため,今後データをさらに蓄積した上で分析を行い,新たな教材に盛り込んでいく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画として,①教員および他職種を対象とした研修の試行,②スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・学校支援員など,教員以外の他職種の葛藤に関する調査を計画していた。いずれも予定通り実施し,一定の成果を得ることができた。 ②については調査のサンプル数が充分とは言えずさらに調査を重ね分析していく必要があるが,新たな教材を開発するための下準備が整ってきていることから,概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は最終年度となるため,以下のような内容で研究を推進し成果をまとめる。 (1)調査結果をもとに新たな教材を開発する。 (2)開発した教材を実際の研修プログラムの中で活用し効果を検証する。 (2)「チーム学校」構築のためのキーパーソンとなる教員に本教材を活用させ,その効果の検証を行うとともにプログラム運営上の課題があれば改善策を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度の主な支出は,調査・成果発表に伴う旅費,教材印刷費,物品費(図書費,消耗品)であった。旅費については他の用務を兼ねた出張となったものもあり,他経費との合算による旅費計上となったため残額が発生した。また,物品費の予算額と執行額にも若干の差額が生じたため,次年度使用額が生じた。次年度については,地方での調査実施費用あるいは成果発表のための旅費の補填として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)