2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the long-term effects of Chinese students studying in Japan in the 1990s: A case study of the Beijing Research Center for Japanese studies:
Project/Area Number |
18K02388
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
李 敏 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (30531925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 成 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授(任期付) (20386668)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 留学の効果 / 長期効果 / 間接効果 / 北京日本学研究センター / 中国人留学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、海外最大の日本語教員および日本学研究者の養成機関である北京日本学研究センターを対象として、センター出身者が日本留学によって構築した「ネットワーク」が、日中両国や個人に及ぼした長期効果を明らかにした。 本研究では下記の3つのデータを用いて分析を行った。①北京日本学研究センターが1985年成立してから2015年までの30年間の学務データに対する分析、②第3次5か年計画期間のセンター長を務めた厳安生氏及び調査当時のセンター長の郭連友氏(2018年2月27日)および国際交流基金担当者へのインタビュー、③修了者を対象に,実施した半構造化インタビュー調査という3つである。分析の結果は下記のような結論が得られた。 ①受入れ国の日本や送出し国においては,それぞれの社会経済,関係政策が常に変化しているため,異なる時期の留学生の中には,日本留学の動機と効果も異なることが容易に考えられる。したがって,歴史の視点を取り入れる考察が不可欠である。②EBPM(Evidence-based Policy Making,エビデンスに基づく政策立案)の重要性が高まる中,客観的データを用いて留学の直接効果を検証することが現在の風潮だが,事例の一般化が困難であるものの,事例研究を通して留学の間接効果を究明することも欠かせない。③ソフトパワーの力が大きいことや,留学効果の向上のために留学生の日本社会へのコミットメントを深めることが大事である。④日本語による留学生の養成は受入国としての日本及び送出国の両方の関係者による協力と養成が必要であるので、養成するための手間が係るかもしれないが、「知日家」を養成する目的から言えば、長期効果が保障されている。
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