2021 Fiscal Year Research-status Report
シンガポールにおけるアクティブ・ラーニングの評価・改善システムに関する実証的研究
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18K02392
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
池田 充裕 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (40342026)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シンガポール / アクティブ・ラーニング / 社会的・情動的コンピテンシー / 社会性と情動の学習 / PAL / Competency |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年に予定していた3回目の現地調査については、新型コロナウィルスの感染拡大により取り止めとなり、2021年度中も海外渡航自体ができない状況が続いた。このため、2021年度は、本科研費研究の成果を用いて、下記の執筆活動や講演活動等を行った。 1.執筆活動:国立教育政策研究所『学校における教育課程編成の実証的研究報告書5 諸外国の教育課程改革の動向』所収、「教育課程の概要 シンガポール」(28-29頁)、「教育課程改革の諸課題 3『内容』の構成 シンガポール」(94-97頁)、「教科横断的な学習・現代的な諸課題」(118-121頁)の各章を担当…研究テーマであるシンガポールの「アクティブ・ラーニング・プログラム(Programme for Active Learning: PAL)」は、教育課程改革や教科横断的な学習活動に関する同国の代表的な事例であり、その概要説明とともに、現地調査で収集した授業案などを用いて、報告原稿をまとめた。 2.講演活動:静岡県立大学国際関係学部主催「Study Circle」講師として、「高学力国家シンガポールの教育の光と影-実力主義政策の功罪と今後の教育改革の動向」をテーマに講演(2022年2月27日)…シンガポールの教育に関する最新事情として、PALの実践事例について現地で撮影した動画映像も用いて解説を行った。 3.研修会等:山梨県立大学主催「教員免許更新講習・必修講座・必修領域」講師として、「日本の教育政策と海外の教育動向」をテーマに講演(2021年9月4日)…海外の教育動向に関してシンガポールのPALの概要や授業実践について動画を用いて説明し、日本の「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)との違いについて講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.第3回現地調査の中止…当初の研究計画に従い、2019年3月と8月に現地調査を実施し、研究パートナー校でPALの授業実践を観察して、各種の情報や資料を得ることができた。しかし、2021年3月に予定していた3回目の現地調査は、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて中止せざるをえなくなり、その後、2021年度期間中は海外への渡航自体が不可能となった。このため、PALに関してどのようなPDCA(評価・改善サイクル)が行われたのか、現地で情報を得ることができなかった。 2.学会発表の中止…2019年6月に日本比較教育学会第55回大会において中間発表を行った。当初の予定では3回目の現地調査の結果を踏まえて、2021年6月に最終発表を行う予定であったが調査ができなくなったことから、発表も見送らざるを得なくなった。 3.研究成果の一部公開…これまでの2回の現地調査の結果を踏まえて、執筆活動や各種講演会では、シンガポールのアクティブ・ラーニング・プログラムの実践に関する情報提供を積極的に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.第3回現地調査の準備…3回目のワクチン接種を行い、ワクチンパスポートの準備も済ませている。現地での受け入れが可能となった時点で、2023年2月を目途に3回目の現地調査を実施する予定である。その際は、「専門職学習コミュニティ(Professional Learning Community: PCL)等学校組織における、学校をベースとしたカリキュラム開発や指導計画の立案に関する具体的な情報を得て、特徴や課題点を検証したい。 2.研究成果報告書の作成…次回の学会発表に向けて、最終年度に研究成果報告書を作成・刊行して、発表会場にて配布を行い、関係研究者と情報・意見交換を深めたい。 3.学会発表による成果報告…2023年度の日本比較教育学会において本研究の調査結果等に関する最終報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
●次年度使用額が生じた理由 ・2020年度に実施できなかった3回目の現地調査を2021年度に行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けて、海外渡航自体を断念せざるを得ず、航空費や宿泊費に相当する金額が余剰となってしまった。また、2021年度に発行を予定していた最終報告書も刊行できず、印刷費も未使用となった。 ●使用計画 ・3回目の現地調査を実施するとともに、研究成果に関する最終報告書を作成し刊行する。
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