2020 Fiscal Year Research-status Report
Effect of Gender on the Relation between Social Capital and School Outcome: The Case Study of Kenya
Project/Area Number |
18K02398
|
Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
笹岡 幹子 (西村幹子) 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20432552)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 学校運営 / ケニア / コロナ禍 / 学習機会 / コミュニティ / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アフリカ社会において、親やコミュニティが学校と「関わる」際 の学校運営関係者の認識、参加の形態、過程におけるジェンダーの影響に着目している。 令和二年度は、感染症の世界的な蔓延により、ケニアでは学校が3月から10月まで閉鎖され、予定していたフィールド調査および招聘事業を行うことができなかった。10月から4年生と8年生だけが通学可能となったため、これまで収集したデータ分析を進めるととともに、コロナ禍における子どもたちの生活のあり方、学習環境について、研究協力者に対象8校の小学6年生へのフォーカス・グループ・インタビューおよび校長への個別インタビュー調査を実施した。 令和元年に463世帯を対象に実施したサーベイにおいてもインタビュー調査を用い、親の性別による学校参加の要因について、学校の会合への出席と学校の修了試験の成績の現状に関する認識が、それぞれ学校参加に関する自信、学歴、学校までの距離、一日当たりの食事の回数、学校の成績の平均点、学校の会合回数とどのような関係にあるのかを、親の男女別に回帰分析を用いて分析した。結果、学校の会合への出席と学校の成績に関する認識は男女に統計的に有意な差は見られないこと、女性は正確な情報を持ち、参加に対する自信が大きいほど会合に参加すること、女性の学歴が低いほど会合に参加する傾向にあること、男性の参加に関連する要因は学校の会合回数のみであることが分かった。従って、女性の方がより確かな情報や自信といったエンパワーメントの要素への反応が良いことが分かった。 また、児童の生活実態については、女児は家事労働の増加、男子は、農業、建設における単純労働による賃金獲得機会を求めて外に働きに行かされるケースが増加していた。男女ともに学校の寮で生活している場合には学習時間は確保できていたが、学校からの連絡はほぼ皆無であり、学習機会はほぼ皆無であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成二年度は、新型コロナウィルス感染症の影響で学校が閉鎖されたため、成果の共有のための出張もできず、連携研究者の招聘もできなかった。 ただし、これまで実施したサーベイの分析に努め、学会等における研究発表はオンライン上で行うことができた。代替案として、10月の学校再開(2学年のみ)に際して、研究協力者に依頼し、対象校の児童にフォーカス・グループ・インタビュー、校長に個別インタビューを行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの学会等での発表に基づき、研究発表さらに力を入れる。連携研究者を招聘し、国内でセミナーを開催することが新型コロナウィルスの感染拡大の関係で難しい現状であるため、2021年11月にケニアに出張し、ケニア国内で発表の機会をもつこととする。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大の関係で当初成果発表の目的で予定していた出張および連携研究者を招聘することができなかったため。申請者が研究成果を現地に共有するために出張し、セミナーを教育省、各校に個別に研究成果を報告予定。
|