2023 Fiscal Year Annual Research Report
Does Regional Education in Local Universities Promote Regional Revitalization?
Project/Area Number |
18K02402
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
小山 治 京都産業大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50621562)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域教育 / COC+ / 出身大学所在地 / 地域移動 / 職業的レリバンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学の地域教育は地方創生に資するのかという問いを明らかにすることである。 「大学の地域教育」とは、大学所在地の特徴・魅力を学生に伝達することを念頭に置いた正課の教育を指す(授業形態は、講義形式、演習形式のいずれも含む)。特に着目したのは、文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」(COC+)を契機として行われていた大学所在地(基本的に都道府県単位)に関する教育である。COC+に着目したのは、地域教育と地方創生を明示的に結びつけた重要な高等教育政策の一つであるからである。「地方創生」とは、大都市圏以外の地方において主に人口的・経済的な要素が従来よりも明らかに正の方向に転じることを指す。 本研究では、学会発表、論文刊行という形で複数の研究成果を上げた。第1に、地方大学における大学の地域教育は出身大学所在地への就職を促すわけではないということを明らかにした。第2に、国立大学については、COC+の結果、地域内就職者割合は増加しなかったということを明らかにした。第3に、COC+大学(代表校と参加校)の大学4年生を卒業後まで追跡調査した結果、大学の地域教育は卒業後2年経過しても出身大学所在地と居住地の一致の有無と関連がないということを明らかにした。第4に、COC+代表校のある都道府県の大卒者(民間企業就業者)でさえ、COC+の認知度は著しく低いということを明らかにした。 以上から、本研究の結論は、大学の地域教育は地方創生に資するとは明確には言い難いということになった。
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