2020 Fiscal Year Annual Research Report
Changes of Knowledge and Academism: Course System, College of General Education, Network
Project/Area Number |
18K02403
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
竹内 洋 関西大学, 東西学術研究所, 客員研究員 (70067677)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 義和 帝京大学, 共通教育センター, 准教授 (10324592)
長崎 励朗 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (30632773)
佐々木 基裕 名古屋女子大学, 文学部, 講師 (90780560)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ファシリテーション / テクノロジー / EdTech / 教育社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的を次のように再設定した。すなわち、高等教育システムにおける講座制と教養部のように、序列関係と緊張関係を孕んだ二元的構造の枠組みで捉えられる対象を見出して、二元的構造の具体的な動態を実証的に分析すること。対象は高等教育に限定せず、初等中等教育まで含めることにする。具体的にはファシリテーション(facilitation)とエドテック(EdTech)を取り上げる。どちらも、もとは文部科学省が管轄する公教育の外部、オルタナティブな実践や民間教育で発展してきたものが、公教育に流入してきて、国策化したのである。 2000年代以降の知のコミュニケーション環境の変容を、ファシリテーションとテクノロジーという2つの観点から明らかにした。前者については、異なる分野の研究者と協働して、2019年11月の日本教育社会学会課題研究でシンポジウム「ファシリテーションの時代?:コミュ力頼みの限界を超えて」を開催し、2021年中にその成果を図書として出版する予定である。後者については、日本型EdTechの展開を捉えるための枠組みを提案し、教育社会学研究の課題を明らかにするレビュー論文を、2020年に刊行した。 アクティブラーニングとICT教育は「新しい教育方法」として高等教育はじめ初等中等教育に政策的に導入が進められてきた。それに対して私たちの研究は、もともと公教育の外部でオルタナティブとして発展してきたファシリテーションとEdTechが、前者のような形で政策的に公教育に取り入れられる歴史的過程と、それらが元の文脈から別の文脈に移植されることで生ずる「意図せざる結果」を解明した。これらの研究成果は、ビジネスと教育の新しい関係を捉える枠組みを提案するものでもある。
|