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2021 Fiscal Year Research-status Report

「児童生徒理解」実践の領域横断的研究:他者理解の言説実践的特質に着目して

Research Project

Project/Area Number 18K02407
Research InstitutionHokkaido University of Education

Principal Investigator

稲葉 浩一  北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (50750436)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords児童生徒理解 / 生徒指導 / 教員間連携 / 進路指導 / 地域文化 / 社会的構築主義 / 言説実践
Outline of Annual Research Achievements

2021年度は新型コロナウイルスの拡大から学校へのフィールドワーク及び学校史料調査は中止された。これは再延長を申請している2022年度も同様の方針を予定している。
そのうえで本年度においては、これまでの調査で得た調査協力者に加え、北海道地域の学校教員を中心に、新たな協力者を得ることができた。特にオンライン会議システム(zoom)が普及したことにより、遠隔地域にいる協力者に対しても比較的容易にインタビューを実施しやすくなったことが起因している。
新たな調査協力者としては、釧路地域をはじめとした沿岸地域の小・中学教員たち5名ほどがおり、他の地域とは異なった生徒指導の実際、生徒指導・児童生徒理解観にふれることで、新しい研究テーマを打ち立てることができた。それは北海道沿岸地域における「ハマ文化」と呼ばれる独特な漁師町文化における生徒指導上の課題、児童生徒理解観である。北海道における「ハマ文化」においても、伝統的には学校文化に対抗的な地域文化があり、「ハマの子どもたちは生徒指導が通りにくい」というのは北海道沿岸地域にとっては従来「常識」に近いものであった。だが近年の産業構造の変化により、こういった伝統的な「ハマ文化」は一種の「物語」となってもおり、本研究では北海道沿岸地域のなかでもさらに微細な地域における多様化、「網元」に位置する家庭の子どもとそうでない子どもとの進路の二極化といった実態が垣間見えてきた。なかば「非行=漁師の子ども」というステレオタイプが解体されてる一方、同じ地域文化にありながらもより微細な児童生徒理解・生徒指導が教師たちに求められていることが明らかになった。以上の研究成果は今後学会発表・論文などで報告予定である。
なお2020年度までの調査をもとにした、教師たちの言説実践としての児童生徒理解の分析を行い論文化した。(稲葉,2022)

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス拡大によって、当初計画していた学校への参与観察や学校史料調査は断念せざるをえなくなった。また新たなインフォーマントの獲得も、対面を介さないなかでは順調に進んでいるとはいえない。一方、先述したオンライン会議システムの使用により、調査協力者とコネクションができてからはインタビュー調査の実施はむしろ容易になったという利点もあり、この側面においては本調査は一定の進捗をもつことができたといえる。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルス感染拡大に加え、研究代表者の移籍に伴い、今後の調査はこれまで得てきたインフォーマントに対するオンラインでのインタビュー調査に焦点化する方針である。なおこれまでの調査においても一定以上のインタビューデータの蓄積をもつことができており、本年度は最終年度として本共同研究の集約と今後の展望を論文化・報告書作成において示す予定である。具体的には①生徒指導・児童生徒理解をめぐる教員間連携の諸課題、②児童生徒理解実践の言説実践的特質の解明、③公的な生徒指導・児童生徒理解観念と教育実践者の観念及び実践の関係性の分析、④生徒指導・児童生徒理解実践と地域文化の今日的特色、以上4つの論点をもとにした分析をもって本研究の集約とする方針である。

Causes of Carryover

本共同研究は新型コロナウイルス感染拡大による研究機関延期を申請しており、2021年度の調査活動はオンライン会議システムによるインタビュー調査のみの実施であったため、発生した費用はICT機器の追加購入のみとなった。次年度使用額は報告書作成及び追加調査などに充てられる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 達成のない課題としての「児童生徒理解」 ─教師たちの語りから2022

    • Author(s)
      稲葉浩一
    • Journal Title

      北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要

      Volume: 12 Pages: 139-151

    • Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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