2018 Fiscal Year Research-status Report
Internationalization of Higher Education Institutions and International Students Support
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18K02410
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 晶子 東京大学, グローバルキャンパス推進本部, 准教授 (10436595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AN TINGTING 筑波大学, 人間系, 助教 (60801884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 留学生支援 / 留学生相談 / 高等教育の国際化 / 学生参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
30 年度の研究実績は以下の通りである。 ・まず、国内外の留学生の受入れ体制についてWebサイト上の情報の整理を行い、関連する文献の収集を通じて支援体制についての概念整理を行った。さらに日本国内で留学生を受け入れる大学について、G30・SGU対象校を中心に留学生支援の取り組みについて情報を収集し、施策と連動した留学生受入れ戦略と、留学生支援体制の整備について分析し、類型化を行った。加えて、国外の大学との比較も実施するために、米国において同様に多くの留学生を受入れている大学に関して、支援体制について聞き取りを行った。 ・従来日本の留学生受け入れ体制は、国立大学と私立大学という設置形態による相違が大きくみられたが、法人化後にそれぞれの大学の実態とニーズに即した体制へと移行しつつある。さらに競争的資金の獲得の有無や、大学の国際化推進理念などが、受け入れ体制の組織間の相違を生み出す新たな要因となっていることがうかがえた。また在籍する留学生数や大学の組織構造・組織文化は、同一ではなく、類似の施策を導入しても、それぞれの大学における支援体制の機能は異なる可能性がある。そのため、特徴的な留学生支援体制を持つ大学を対象とした組織次元の事例研究を開始し、受入れ支援体制の変化とその経緯について各種資料の分析や関係者を対象としたヒヤリングによって、明らかにする作業を開始した。この作業を通じ、組織間の相違が生まれるプロセスや、より留学生のニーズに合致したサポート体制の整備を可能にする組織的要因の解明に努めていく。 ・さらに近年高等教育研究において注目される、学生の参加による留学生・学生支援に関して情報を収集し、学生参画の活動の留学生支援全体の中での位置づけを明らかにするとともに、活動に参加している学生に対してインタビュー調査を行い、学生参画への姿勢とその姿勢の形成プロセスについて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究代表者の研究環境の変化(研究スペースの一部移転など)と、研究分担者の所属先異動に伴い、研究実施順序の変更などが一部必要となった。ただし前倒しして実施ししたものもあり、研究全体としては概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きWebサイト上での国内外の学生支援体制について情報収集を行い、分類・整理を行う。また特徴的な体制を持つ大学(国内・国外)を抽出し、留学生支援体制整備の経緯と支援風土について聞き取りを行うとともに、留学生支援等に参画する学生を対象としたインタビュー調査を進める。さらに留学生相談資源の利用者データの分析と留学生への調査(インタビュー・質問紙調査)を実施し、文化的に好まれる留学生支援の体制について明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度は研究代表者の研究実施環境、分担研究者の所属機関の変更等にともない、研究の実施計画を一部変更した。これに伴って、物品費の支出を当初計画から変更した。また質問紙調査等の準備を31年度に繰り越した。一方、一部のインタビュー調査等は前倒しして実施を開始しており、31年度は、昨年度実施開始予定であった質問紙調査等をあわせて進めて行く予定である。
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