2021 Fiscal Year Research-status Report
Internationalization of Higher Education Institutions and International Students Support
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18K02410
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 晶子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 准教授 (10436595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AN TINGTING 筑波大学, 人間系, 助教 (60801884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 留学生相談 / 大学の国際化 / ウェブサイト / 援助要請 / 学生サポート / 苦情処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症拡大の影響を受け、様変わりした学生サポートの形態と留学生のニーズを踏まえ、2018年度、2019年度に収集済みであったデータと、2020年度以降のデータの比較を行い、対面での相談が制限される中での留学生の学内相談資源の利用動向を検討した。その結果、これまで学外の資源や、学生間の情報交換が有効に機能しており、大学の相談資源の役割は限定的であった就職支援の領域や、日本語力の高い留学生の層の利用者増加が見られた。感染症拡大や災害などの社会の危機的状況下においては、社会的援助資源が脆弱な留学生は、サポート源の多くを失うこととなり、大学の提供する支援への依存度が高まると考えられる。そのためニーズを適宜見極め、サポート内容や提供の仕方を対応させ不足する支援機能を補うことが、大学の留学生支援機能として重要であることを指摘した。 大学の活動の多くが非対面に移行したことに伴い、大学の学生支援機能の維持には、インターネットの活用が不可欠となり、情報周知の際のウェブサイトの機能の重要性が増したことから、国内外の大学のウェブサイト上に掲載された学生サポートに関する情報内容や掲載の仕方、言語対応状況について情報を収集し、分析を行った。さらに学生相談・カウンセリング等の機能に加えて、ハラスメントや苦情処理等、大学が学生に対して有する多様な支援機能を取り上げ、大学と学生の間に生じる紛争に対する、第三者的な仲裁機能に関する文献研究を実施し、国・機関における苦情対応体制の特徴を明らかにした。またそのうち最も制度が整備された英国を事例として取り上げ、日本の現状と比較しながら、報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度同様に新型コロナウイルス感染症の拡大と、それに伴う留学生の入国制限、大学において通常の対面による学生活動・学生相談活動が制限されていることなどから、研究活動を計画通りに進めることが出来なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外ともに、留学生の受入れが平常状態に戻っておらず、2019年度までに実施した調査等との単純な比較が困難となっているが、これらの状況が既に2年以上続いているため、研究計画の見直しにより、新たに生じている課題も踏まえながら、留学生サポートの在り方を検討していくこととした。当初予定していた、参与観察や対面での支援サービスを前提とした調査計画、また国外訪問を伴う聞き取り調査等は行わず、ウェブサイトの分析やオンラインでの調査等により、留学生サポートの形態や役割について検討を行っていく方針である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス感染症の状況により、研究が予定通り実行できなかったことによる計画の延期・見直しによる。2022年度も引き続き、感染症拡大予防等の理由により国外渡航が行いにくい状況や、留学生の来日遅れ、相談支援のオンラインによる実施、学生活動の制限等が予想されるため、研究計画をこうした状況を前提としたものに変更済みであり、オンラインで収集可能な情報と、非対面での聞き取り等を中心に研究を実施していく予定である。
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Research Products
(7 results)