2022 Fiscal Year Research-status Report
Internationalization of Higher Education Institutions and International Students Support
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18K02410
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 晶子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 教授 (10436595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AN TINGTING 筑波大学, 人間系, 助教 (60801884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 留学生相談 / 大学の国際化 / ウェブサイト / 援助要請 / 学生サポート / 苦情処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍で対人関係の広がりが限定され情報が不足する中で、留学生の相談資源へのアクセスを促す要因を明らかにし、調査結果を報告した。他者からの紹介を通じた相談資源へのアクセスが大きく減少し、一方でウェブサイト上に記載された相談室案内等の情報を判断材料にした利用者が増加、その際、予約の仕組み等に関する案内は十分にわかりやすいと評価されているものの、相談員に関する情報は不足しているとの評価が行われていた。また事前に知りたい相談員に関する情報としては、「言語力」は多くの留学生が希望したものの、それ以外については希望が多岐に渡っており、相談員の信頼性等の判断に用いられる情報は、多様である可能性が示唆された。 さらに留学生に対する、広義の学生支援の提供枠組みについて、理念的側面と制度的側面から国際比較を実施し、日本の大学の特徴を明らかにした。その中で、日本において実施がみられない、学生の大学に対する、不満や不服に対する対応体制について、昨年実施した、英国の事例に加えて、対象をオーストラリア・ニュージーランド等にも広げ、制度的概要を明らかした。また苦情への対応が、留学生支援の枠組みにどのように位置づけられているのかに注目し、そもそもの前提として、大学と学生・留学生の関係性がどのように想定されているのか、学生からの意見が、どのように大学運営において位置づけられているのかにおいて、各国の高等教育体制が異なっていることを示し、これらが学生支援の実施形態や内容にも影響を及ぼしている可能性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は入国制限が廃止され、留学生の来日が年度の前半以降はほぼ回復した状態となったが、感染症の拡大防止に配慮した形で学生支援の実施が続いたことや、コロナ前とのデータの比較の困難さなどによって、計画を適宜見直しながら研究を進める状況が続いた。そのため研究をまとめ発表する時点にまではいたらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
計画を変更して進めてきた研究を遂行し、報告を行うことが出来る予定である。
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Causes of Carryover |
引き続き新型コロナウイルス感染症下で、調査対象である留学生の学生生活や留学生支援体制が完全には回復しておらず、研究の実施形態を見直したため。
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Research Products
(1 results)