2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K02414
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎井 縁 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (50710232)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚田 洋平 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), 企画・研究部, 研究員 (00639966)
山本 晃輔 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (30710222)
今井 貴代子 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (90710236)
石川 朝子 帝京大学, 理工学部, 講師 (60759877)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 教育社会学 / 外国人生徒 / 学業達成 / トラッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル化を背景とした人の移動が日本の教育でも大きな課題となっている。そのな課でも注目されてきたニューカマー外国人研究は、外国人の教育に対処方法を持たない学校現場に対し日本の学校文化を相対化するような知見を導いてきたが、その研究の視座は教室や学校現場に留まる傾向があり、不就学や高校進学率の低さなどについては言語的なハンディが注目される傾向があった。本研究はマクロレベルでの編入様式を横糸とし、教育実践や地位達成などミクロレベルの調査を縦糸に、教育における外国人の編入様式を明らかにすることを目的としている。今年度は先駆的な外国人教育をする「大阪府」に焦点を当て、外国人生徒を積極的に受け入れる「日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜」という特別枠を設置する7校を調査し、学校の管理職、担当教員、外国人生徒のための教員、日本語教員を対象にインタビューを行った。その上で、2005年から2008年にかけて実施した調査に重ねて、2018年時点におけるそのコンテクスト(地域性や歴史)、システム(教職員組織、支援拠点、カリキュラム、日本語指導体制、ネイティブ教員、他団体との連携)、実践(クラブ活動、進路指導、一般生徒との交流、卒業生との関わり、地域交流)を明らかにした。またこの10年間の時間的経緯と社会的な変化の中で、成果として定着してきた「特別扱いする学校文化」と、そのコンテンツの変容の中での課題を明らかにすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の1つである、国・県・学校レベルでの外国人教育における概況を明らかにするため、先駆的な外国人教育を実施する「大阪府」を中心としたマクロレベルでの編入様式について調査し、10年前との経年比較をすることができた。また、もう一つの調査地である「神奈川県」への予備調査を行うことで全国的な外国人教育の編入様式を明らかにする手がかりを得た。また「大阪府」の特別枠校7校の概要について教員を中心としたインタビューを行ったことで、在籍生徒ならびに卒業生へのインタビューの足がかりをつけることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の目標の1つであるマクロレベルの編入様式について「大阪府」と比較するために、大阪府の特別枠校にあたる「神奈川県」の「在県外国人等特別募集」枠を設置している10校を調査する。両県におけるニューカマー外国人支援制度の変遷をまとめ、分析を行う。 また、教育実践や地位達成について、大阪府の枠校に在籍する生徒から10年前におこなったインタビューと比較するため、現在籍生徒へのインタビューを行うと同時に、特別な支援を享受した生徒らがどのように社会に接続されていったのかを明らかにするため、卒業生を対象にインタビューを行う。
|
Causes of Carryover |
2018度予定していた「神奈川県」における調査が、予備調査で終わってしまい、本格的な調査が2019年度からスタートすることとなったこと、および学校調査において教職員インタビューの他、学生や卒業生のインタビューを行い、その文字おこしをする予定であったが、手順どおりいかなかったため。
|
Research Products
(2 results)