2021 Fiscal Year Research-status Report
ライフヒストリーで辿るフィンランド教育の源泉-「教育における平等」概念の実相-
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18K02422
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
渡邊 あや 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (60449105)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フィンランド / 教育政策 / 平等性 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(1)フィンランドの教育政策における「教育における平等」概念の検証、(2)教育関係者のライフヒストリー・インタビューによる「教育における平等」の検証、(3)「教育における平等」の多層的アプローチの制度化メカニズムの解明、(4)平等性を担保する教育制度の在り方についての提言、を実施することとしている。 2021年度は、(1)これまでに実施した現地の教育関係者に対するライフヒストリー・インタビューのテキスト化と翻訳、及びその内容の確認、(2)これまでの調査で実施していたフィンランドの教育政策分析の整理(時系列)、(3)1990年代以降の教育政策分析とそれらにおける「平等観」の変化の検証、(4)ライフヒストリー・インタビュー実施に向けた調査項目の確認と調査対象者とのやり取りの継続、等を行った。本年の活動は、これまで研究によって得られた情報やデータの整理が中心であったが、現在のフィンランドの政策動向をフォローする中で、現在の施策が、1990年代以降では、「平等」への志向が特に強い形で展開されていることが明らかになった。 2019年度及び2020年度に予定しながら実施できなかった本調査は、欧州地域における新型コロナウイルスの感染拡大、さらには、それに伴う教育関係者の多忙化、調査予定者の退職・異動に伴う多忙化、及びオンライン調査への対応の可否等の問題により、2021年度も実施することができなかった。そのため、研究期間を延長し、2022年度に実施する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査が核となる本研究において、2021年度も現地調査の実施がかなわなかったため、これまでの研究的な蓄積の整理を中心とせざるを得なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、現地調査の可能性が見込めるため、可能な限り早期に渡航し、現地調査(インタビュー調査等)を行うこととし、その結果を踏まえて、分析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、予定していた現地調査を行うことができなかったため、現地調査にかかる費用、及びその結果を踏まえて実施予定であった分析の費用、セミナーの費用を使用することができなかったため。2022年度に、予定していた現地調査・研究の取りまとめ等を行う予定としている。
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