2020 Fiscal Year Research-status Report
ケニアの公立小学校の空洞化と低学費私立小学校の増加-多様化と基準化のせめぎ合い-
Project/Area Number |
18K02423
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大塲 麻代 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (30578828)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学会発表 / 論文執筆 / 理論研究 / 研究会参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はコロナ禍においてフィールド調査を実施することができなかったため、学会発表や研究会へ積極的に参加し、また論文を執筆するなどしてこれまでの知見を広く共有する活動を行った。特に、2016年から『アフリカ潜在力』(科研費基盤S, 代表:京都大学 松田素二教授)のプロジェクトに参加し、教育・社会班のメンバーとして、在来知がいかに学校運営や学校教育継続に活かされているか、都市部低所得者層地域における住民の学校運営について、コンヴィヴィアリティ(共生のための実践)の概念を援用し研究を深化させた。これは、本研究の低学費私立校による学校形態の多様化とカリキュラムの基準化、公立小学校の空洞化の研究に深い洞察を与えてくれたと考える。加えて、これまでの研究枠組みも見直すため、積極的に理論研究も行った。成果としての出版物には、Asayo Ohba (2021) Community schools providing the tools for conviviality in urban Kenya. In: ShokoYamada, Akira Takada, and Shose Kessi (eds.) Knowledge, Education and Social Structure in Africa, Bamenda: Langaa, Chap.8 が挙げられる。またオンラインによる学会発表に積極的に参加し発表した。①第31回国際開発学会全国大会、2020年12月5日-6日、②第31回国際開発学会全国大会 ラウンドテーブル、2020年12月5日-6日、③第26回アフリカ教育学会、2020年9月26日-27日、オンラインなど。フィールド調査が難しい中においても、既存のデータを活用し意見交換を活発に行いながら分析を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍において1年以上現地調査ができずにいるため、現時点では予定より大幅に遅れているのは否めない。
既にこれまでのデータを分析し、本研究のテーマに関する状況の把握はできつつあるものの、分析から新たに示唆されることを深化させるためには、再度フィールド調査を実施することは必要と考える。しかし、昨年度は渡航できずにデータ収集ができておらず、理論研究に留まっている。
他方、国内における研究会に積極的に出席してきた結果、分野横断的な視点での研究が進み、これまで現地で収集したデータを基に新たな分析を行うことができている。これは非常に重要であり、停滞だけでないことを強調したい。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの終息を待ってフィールド調査に出かけたいが、現時点ではいつ渡航が可能か不明なことから、まずはできることとして文献レビュー・理論研究を実施し、これまで蓄積したデータを基に論文執筆に尽力したい。
本科研は2021年度が最終年度ではあるが、今年度の渡航も難しいと考えると、場合により致し方なく1年の研究延長も視野に入れている。重要な点は新しい知見に資する調査結果を広く公表・発信していくことであるため、有意義な調査結果と報告を積極的に行なえるよう、今後の研究計画を柔軟にしていきたい。まず今は、文献レビューを積極的に行い、同時に執筆活動にも専念したい。
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Causes of Carryover |
本研究の予算に関しては旅費の占める割合が大きいが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、予算執行を予定していた対面による複数の国内学会参加は見送られ、その交通費・宿泊費分が浮いてしまった。さらに、海外フィールド調査を実施する予定でもあったため、渡航費にはじまり、2週間分の宿泊費・日当・調査協力者への謝金等も結果的に浮き、執行できず次年度繰越金が大幅に増加してしまった。文献レビューを積極的に行い、必要な書籍等の購入も行なったが、旅費をメインに予算を組んでいたため、残額が多くなってしまった。
今年度も引き続きフィールド調査は難しい可能性もある。したがって、文献レビューをこれまで以上に積極的に行い、そのために必要な書籍等を購入したい。また、オンラインで開催される学会や研究会には引き続き積極的に参加していきたい。2年連続してフィールド調査が難しい場合は、無理に全額を執行することなく、プロジェクトの1年延長も視野に入れたい。
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