2022 Fiscal Year Research-status Report
Teacher's job analysis using the concept of "labor"
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18K02426
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
油布 佐和子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80183987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教員 / 過重労働 / 指導の変化 / 自律性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では<労働>という点から、教員の勤務状況の問題を考察することを目的としている。本年度は、フィールドワークの難しさから、これまでに実施し多アンケート調査の再分析の可能性を探り、また、教員インタビューを中心にデータ収集を実施した。そこでは、ベテラン教員を中心に、「若いころと比べて、教師という仕事にどのような変化があったか」「それは何によるものであると考えるか」を語ってもらった。いずれも、多忙感の変容を検討するのが目的である。それによって、教育労働の変質が明らかになるのではないかと考えられた。 インタビューでは、①子ども、保護者の変化、② 対応策が<現場>ではなく、<共通の方策>に基づかねばなくなったことという二点が、仕事上の複雑さを増していることが明らかになった。同じような生徒指導であるにもかかわらず、その対応策に変化がみられるということである。 <子ども・保護者の変化が、教員の仕事に影響している>という際、あまりにも当たり前の言説であり、それを特に深く掘り下げているわけではない。上述したインタビュー調査では、問題が『子供の変容』「親の変容」にあるのではなく、その事案の取り扱いが昔と異なってきたことが指摘されていた点で新しい。この観点は重要で、教員の仕事の自律性の範囲が制限されることに係る問題として、考察される必要があると思われる。 これまで<感情労働>などの理論を参考に、教育労働の本質と近年のその変化を探ろうとしてきたが、対人関係の労働という点からの検討が、今少し必要と思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた海外での調査研究は、引き続きペンディングになっており、この部分は今年度も展開をすることができなかった。代わりに、数名の研究者・教員にZOOMを通じて、以前に入手したデータの解釈の妥当性についてインタビューをするなどを実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、日本のインタビュー結果から、<対人関係労働>としては、教員の自律性の変化という課題は、かなり重要ではないかと考えられた。とくにイギリスにおいては、初等教育教師の意見ではあるが、これが重要な課題(教師の誇りを奪われること、教員の魅力が低下すること)と関係している旨の意見もあった。この点に焦点を当てて、最終の報告をまとめたい。 教師の「働き方改革」では、業務量の多さが注目され、役割の分業が中心になっているが、教師の本務である<授業>や<生徒指導>の面で、実は大きな変化が起こっていてそれが看過されているのではないかと思われるので、その点を検討したい。
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Causes of Carryover |
申請2年目の海外調査研究が、コロナの影響で全くできなかったことによる。その費用の持越しが続いている。 本年度は、後半になって渡英の可能性が高まったが、調整ができなかった。
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