2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K02428
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
尾場 友和 大阪商業大学, 公共学部, 講師 (50781374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾川 満宏 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (30723366)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 進路指導 / キャリア教育 / 職業への移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度では、進路多様校生徒のキャリア展望に関する量的調査について、先行研究や既存のデータを検討し、論点整理を行った。 具体的には、先行研究やこれまでに行った高校教員調査との比較検討、及び、主に地方都市3地点の高校教員を対象としたヒアリング調査を行い、各地域の産業構造や地理的条件、文化的な特性を含めた高校生の進路形成事情について情報収集し、課題を焦点化させた。その過程において、国際的な学術レベルの示唆を得るため、ヨーロッパ・マルタ共和国ヴァレッタで開催された2018 International Conference "Teacher Education and Educational Research in the Mediterranean"、およびアメリカ・ハワイ州ホノルル市で開催された2019 Hawaii International Conference on Educationで学会報告し、海外の研究者から有益な最新情報を入手した。さらに、学校現場のキャリア形成におけるローカルな課題をグローバルな視点から検討するため、オーストラリア・サウスウェールズ州シドニー市にある中等学校2校を訪問し、現地の学校教員および行政担当者を対象にヒアリング調査を実施し、調査設計において比較検討すべき事項を確認した。以上を踏まえ上で、次年度の実施計画として進めている量的調査の質問項目について、研究分担者と打ち合わせをし、詳細な検討を行った。その結果、質問紙の作成は最終段階に到達し、現在、調査協力校における質問紙の配布・回収時期、その具体的な方法について確認、補完的な作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高校生調査の対象校については、準備を進めていくなかで、各学校間のカリキュラム面での統制を図る必要が生じたため、専門科を主な調査対象にした。なお、詳細な調査対象校の選定については、年度末の人事異動や平成31年度の学校行事予定が未確定であることを鑑み、平成30年度は調査協力に関する趣旨説明に留め、平成31年度初旬に改めて正式な依頼を行うことにしている。また、若者グループへの調査は、量的調査の結果を踏まえ、詳細な質問項目を検討する方が同時並行で進めるよりも効果的な聞き取りができると考え、次年度以降に計画を変更した。 そのため、研究の進捗はやや遅れはあるものの、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題の推進にあたっては、調査対象校の質問紙を回収し、アンケートのデータ入力をする。そこで得られた生徒の職業観、社会観、キャリア意識、地元意識、職業への準備状況等を明らかにし、変数間の関連や規定要因を検討する。その結果については、学会発表により成果報告を行い、ピアレビューにより今後の分析方針について検討する。それと同時に、若者グループを対象とした質問内容を精査し、インタビュー調査を実施・分析を進める。これらの作業を通じ、次年度の総合考察の準備を行う。
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Causes of Carryover |
当初計画では、パソコンを新規購入する予定であったが、既存のパソコンを修理することにより対応した。これが次年度使用額が生じた主な理由である。翌年度は、アンケートの回収やインタビュー調査、学会報告、それに関する打ち合わせ等が必要になるため、請求した助成金は、旅費を中心に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)