2019 Fiscal Year Research-status Report
子どもの製作活動における発話と非認知的能力の発達に関する研究
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18K02432
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小林 俊介 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (50292404)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 造形・製作活動 / 非認知的スキル / 「おもしゃい」 / 創造性 / 社会的・行動的スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
1)天童東幼稚園・天童東第二幼稚園において粘土遊びの4回の実践(2019年5月13日、5月17日、7月1日、7月2日)を行い、抽出児に着目した4つの事例について、5観点のチャートによる諸能力の活性化に関する分析を行った。また、2クラス全員の子どもについて、class全体の児童の行動を表に書き起こし、松永(2019)の研究におけるネットワーク理論を参照しながら、子ども相互の交流について分析し、クラス全体の交流の軌跡を検討した。上記の検討分析の結果、以下の知見を得た。子どもたちは粘土の魅力、粘土の「おもしゃい」を共有し、遊びを通して子どもたちの満足感、達成感、自己肯定感など、非認知的な能力を活性化することができた。 2)山形大学附属幼稚園において、造形作品に関する発話を子どもたちから聞き取り保育者とともに検討した。また、年長クラスにおいて、粘土遊びの実践(2019年10月9日)を行い、また保育者とその検討会を行った(2019年12月24日)。 3)天童東幼稚園・天童東第二幼稚園における上記の実践を以下の自主シンポジウムで発表した。「造形・製作活動か育む力-遊びの質と創造性,社会的・行動的スキル-」、日本乳幼児教育学会第29回学会自主シンポジウム、2019年12月7日(土)。指定討論者:笠原広一(東京学芸大学)、話題提供i:伊藤香,高橋美紀,井上七緖,武田夏実,工藤美月,佐藤美咲,張崎正 裕(天童東幼稚園・天童東第二幼稚園) 話題提供ii:石沢惠理(羽陽学園短期大学)、話題提供iii:小林俊介(山形大学) 文献:松永 愛子(2019)、「遊びの質」を可視化する─ ネットワーク理論をアクションリサーチに取り入れる意義と方法 ─、目白大学 総合科学研究、第 15 号、 2019 年3月、 39 ─ 58。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チャートやネットワーク理論による非認知的諸能力活性化の軌跡を可視化することにある程度成功している。造形・製作活動における非認知的諸能力の活性化について、天童東幼稚園・天童東第二幼稚園において粘土遊びの4回の実践を行い、抽出児に着目した4つの事例について5観点のチャートによる諸能力の活性化に関する分析を行なうことができた。また、2クラス全員の子どもについて、class全体の児童の行動を表に書き起こし、松永(2019)の研究におけるネットワーク理論を参照しながら、子ども相互の交流について分析し、クラス全体の交流の軌跡を検討することができた。また、天童東幼稚園・天童東第二幼稚園における上記の実践を自主シンポジウム「造形・製作活動か育む力-遊びの質と創造性,社会的・行動的スキル-」(日本乳幼児教育学会第29回学会自主シンポジウム、2019年12月7日(土))で発表し、来場者との質疑応答も充実したものであった。 造形・製作活動における発話については山形大学附属幼稚園において、造形作品に関する発話を子どもたちから聞き取り保育者とともに検討することができた。また、年長クラスにおいて、粘土遊びの実践(2019年10月9日)を行い、また保育者とその検討会を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、研究成果報告書の作成を軸に、研究の取りまとめを行う。初年度の成果については、既に論文「子どもの製作活動における発話と非認知的能力の活性化」(美術教育学研究 51(1), 169-176, 2019)に発表しており、また昨年度の成果の一部については、自主シンポジウム「造形・製作活動か育む力-遊びの質と創造性,社会的・行動的スキル-」(日本乳幼児教育学会第29回学会自主シンポジウム、2019年12月7日(土))で発表した内容を中心に、非認知的諸能力の活性化における粘土遊びの有効性を焦点に、チャートによる分析を加えネットワーク理論による交流の軌跡の分析を行う。また発話については、天童東幼稚園・天童東第二幼稚園における事例・エピソード記述における発話の分析、また山形大学附属幼稚園における造形・製作活動の分析を行う。 課題としては、チャートやネットワーク理論による非認知的諸能力活性化の軌跡を可視化することにはある程度成功しているが、定量的な分析については分析が遅れていることである。子どもの交流についてはネットワーク理論における「密度」の分析を、また発話においては質的研究に加えてテキストマイニングなど量的分析を導入する必要がある。
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