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2020 Fiscal Year Research-status Report

ソーシャル・インクルージョンに向けた障害・貧困児童のヘルス・リテラシーの向上

Research Project

Project/Area Number 18K02433
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

村山 拓  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50609641)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords学校教育 / ヘルス・リテラシー / 米国 / カリキュラム
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、ソーシャル・インクルージョンと共生社会の形成に向けた、ライフ・スキルとヘルス・リテラシーの普及、獲得のためのカリキュラム開発について、米国における特別ニーズ教育と公衆衛生をめぐる言説と実践事例から探ることをねらいとしている。わが国における共生社会の形成は、「障害者理解促進事業」、「子どもの貧困対策会議」、「日系定住外国人施策推進事業」といった少数者の社会(生活)保障を中心に展開されているが、とりわけ貧困対策、格差縮小に向けた社会設計は、先進国に共通した課題といえる。その課題への対応として、多文化多言語状況、経済的貧困の課題への対応を北米地域に注目して検討することが必要である。本研究課題においては、それらの成果をさらがに進め、特別ニーズ教育と公衆衛生・社会政策との連関を検討することによって、マイノリティ児童の社会的自立のための社会政策の指針を得ることを目的と設定した。
主な分析、検討として、知的障害児、発達障害児、健康障害児を想定した初等中等教育段階におけるヘルス・リテラシー、メンタルヘルス・リテラシーに関する教育プログラムに注目し、その内容面での特徴や実施体制等について確認した。内容の面では、WHO(世界保健機構)が提示した学校教育において習得することが望ましいとされるライフ・スキルの10項目を参照したうえで、独自の内容を追加したり、学年ごとに習得目標を定めたプログラムを制定している州が多くみられた。また、貧困家庭については、子どもだけでなく親(保護者)も対象にしたプログラムを、例えば学校と公立図書館との連携において実施するなど、包括的な取り組みの例が見られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでに、申請者が所属する学会でのポスター発表、申請者の所属機関から発行する研究紀要、および、国際誌を含む、関連する学術雑誌への論文投稿の形で、研究の経過および成果の一部を報告、公開してきた。また、現在、国際誌への論文を投稿しており、現在査読中である。
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、計画開始当初予定していた北米地域への渡航による現地調査、および学会発表による研究成果及び経過の報告等が予定通りには実施できていない。北米地域における調査については、オンライン上での資料収集や、現地協力者を介しての情報収集等をすすめることで、完全な代替にはならないものの、調査の不足をできるだけ補いたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

今後、以下の作業課題を中心に研究を進める予定である。
まず、北米地域における専門職団体の言説を検討する。具体的には、Non-Physician ClinicianによるAmerican Public Health Associationなどを想定している。一連の社会政策の理論的基礎をなしている、障害児や文化的貧困児の学習や公共健康・公衆衛生政策が、どのような社会的文脈において成立しているのかを明らかにし、障害児童に対して期待されているヘルス・リテラシーの習得の内訳と、学習が期待される水準をめぐる議論の推移を示す。あわせて、貧困家庭の子どもに対する配慮の特徴を検討する。
次に、州レベルでの教育・保健・福祉政策の動向を検討し、障害児、文化的不遇児への対応の目的と方法を明らかにする。これらの地域では、1980年代より、マイノリティを包含する教育改革を繰り返してきた経緯がある。「健康」や「安全」という教科が学校教育カリキュラムに導入されている地域に注目し、その目的、方法的特徴を明らかにする。
そして、それらの取り組みが、アメリカ国内外にもたらした影響を、言説分析の手法を用いて検討する。とりわけ、社会統合(social integration)との関連において、それらの政策や実践がどのように機能しているのか、といった観点に注目して検討を行う。
これらの調査について、現地調査が困難な場合を想定して、オンラインで連絡の取れる現地協力者を増やすことができないか検討中である。渡航の可否の検討とあわせて、対象とするデータの種類や分析の方法を検討、変更することで、当初予定していた課題に迫りたいと考えている。

Causes of Carryover

現地調査ができなかったこと、学会発表を予定していた学会が中止となったことにより、次年度使用額が発生した。これらの使途として、学会発表を行う学会への参加費、国債学術誌への投稿のための英文校正謝金、および投稿料、掲載料を予定している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 2 results,  Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 米国におけるギフテッド教育に関する特性把握と対応をめぐる議論の特徴2021

    • Author(s)
      村山 拓
    • Journal Title

      東京学芸大学紀要 総合科学系

      Volume: 72 Pages: 191-198

    • Open Access
  • [Journal Article] 障害や疾患のある児童生徒のためのストレス・マネジメント教育の関する予備的検討2020

    • Author(s)
      村山 拓
    • Journal Title

      山梨障害児教育学研究紀要

      Volume: 15 Pages: 93-100

    • DOI

      10.34429/00004877

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Narcolepsy in Childhood: A Literature Review2020

    • Author(s)
      Murayama, T., Kyoyama, M.
    • Journal Title

      International Journal of Educational Science and Research

      Volume: 10(4) Pages: 123-132

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 慢性疾患児に対する学習支援内容の検討2021

    • Author(s)
      村山 拓、玉木秋樹、黒澤 南
    • Organizer
      第40回日本社会精神医学会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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