2020 Fiscal Year Annual Research Report
The development for Trauma-Informed Care/System against childhood sexual assault
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18K02438
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野坂 祐子 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20379324)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | トラウマインフォームドケア / 性暴力 / 養護教諭 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもへの性暴力を中心とする小児期トラウマの理解と支援体制の構築をめざし、前年度までに調査対象機関とした児童自立支援施設と支援学校に加え、小学校から高等学校の協力を得て、養護教諭へのヒアリングと事例検討を行い、保健室で行うトラウマインフォームドケア(Trauma Informed Care:TIC)の心理教育資材を作成した。また、継続調査として、虐待や性被害を背景とする非行行動のある児童に対応する児童自立支援施設の管理者と職員への調査と事例検討から、非行に対するトラウマインフォームドな処遇に関する論文をまとめた。主な取り組みと結果は、下記の通りである。 1)小学校から高等学校までの養護教諭(のべ30名)を対象とした継続的なヒアリングと事例検討を行い、TICにおける心理教育と養護教諭の「保健指導」の関連を抽出し、学校でみられやすい児童のトラウマ反応と対応について説明した『こころのケゲをトラウマのメガネ』で見てみよう:養護教諭のためのトラウマインフォームドケア」の資材を作成し、科研成果発表用のサイトで公開した。 2)児童自立支援施設の管理者と職員(計15名)への質問紙調査により、トラウマのある子どもへの対応や処遇の困難さを把握し、複雑性トラウマや発達特性(とくに自閉傾向)の特徴の理解と介入の工夫についてまとめた。 3)低年齢児や発達特性・障がいのある子どもへの心理教育マテリアルの開発を計画していたが、新型コロナ感染症の拡大によりフィールドへの参加が難しくなったため、海外の文献レビューと翻訳に取り組み、訳書は出版の予定である。 4)3年間の科研の成果について、論文等にて公開し、子どもへのトラウマインフォームドケアとシステムについての啓発を行った。
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Remarks |
科研成果物の公開と開発資材のダウンロードが可能。
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Research Products
(12 results)