2018 Fiscal Year Research-status Report
History and today's role of AGEEM in France
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18K02448
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
大庭 三枝 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (50413539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フランス / 保育学校(l’ecole maternelle) / AGEEM(全国公立保育学校教員協会) |
Outline of Annual Research Achievements |
フランス・ナンシーで開催されたAGEEM第91回研究大会(7月3-6日)に参加し、期間中AGEEMの活動の歴史に関する資料を収集・分析するとともに、AGEEM会長Isabelle Racoffier、大会実行委員長(AGEEMナンシーセクション代表)他事務局関係者らに、国際的研究大会となった現状とAGEEMの運営について聞き取り調査を行った。 この成果を含め、日本乳幼児教育学会第28回大会(岡山コンベンションセンター、12月8-9日)にて「フランスにおけるAGEEM(全国公立保育学校教員協会)研究大会の動向」として研究発表した。公立保育学校教員の自主的な活動団体であるAGEEMが開催する研究大会にはフランス全土(海外領土を含む)はもとより、フランス語圏の国々(ベルギー、カナダ(ケベック)、アルジェリア、セネガル、カメルーン、レバノン等)からの参加があり国際的研究大会となっていること、過去の大会テーマはEUの成立や科学技術の進歩など世界情勢の変化を背景にしながらも、幼児期の心身発達と成長欲求を尊重し自然や環境(物的・人的・文化的)との関係性における子どもの育ちを捉えようとする不易の部分があること、を明らかにした。 AGEEMの活動が保育学校政策に影響を及ぼした部分についての分析は、日本保育学会(2019年5月)にて研究発表を行う。 AGEEMシャレーヌセクション代表の協力を得て、Ecole Louis Canisの年少・年中児と福山市内公立保育所の年中・年長児の交流が継続的に行われており、AGEEM第92回研究大会(2019年7月)には造形と感性に着目した交流活動に関する共同研究(Correspondance plastique et visuelle entre la France le Japon)として研究発表するので、現地と緊密な連携を取りながら準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AGEEM関係者の協力により、資料の収集・聞き取り等研究活動は順調に進んでいる。保育学校とAGEEMの活動に関する有用な情報を入手することができ、その研究成果に関しては広く公表・発信し、有意義な議論が展開できている。 これまでに明らかになったAGEEMの活動の独自性や意味について、今後日本のみならずフランスでも研究発表する準備を2018年度より着実に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
AGEEMが独自には発行・発信している資料を丁寧に読み解きながら、これまでに行った研究発表をさらに拡充させ、学術誌に論文として投稿する予定である。 現在教育改革の渦中にあるフランスで、AGEEMの動向を正確に把握し現状における対応について、歴史的経緯を踏まえながら分析を行う。 研究の進行に伴い生じてきた研究課題については、AGEEM会長他事務局・各セクション代表等との緊密なネットワークにより解明していく。 これまでのAGEEMの活動や研究大会での所産については、その意味についての検討を加え日本・フランスのみならず国際学会等で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は貴重な文献・資料収集にかかる郵送費用及び旅費が予定より増加してしまったため、予定していたタブレットパソコンを購入する十分な金額が残らなかった。 残額を次年度に繰り越し、2019年度に購入する。
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