2019 Fiscal Year Research-status Report
History and today's role of AGEEM in France
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18K02448
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
大庭 三枝 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (50413539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | AGEEM(全国公立保育学校教員協会) / 保育学校(l’Ecole maternelle) / フランス / 幼児期 / 表現活動 / OMEP(世界幼児教育・保育機構) / 平和紙芝居 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本保育学会(5月4-5日、大妻女子大学)にて研究発表「フランスにおけるl’Ecole maternelle(保育学校)に対する理解促進の取り組み-AGEEM発行保護者対象解説書の分析を通して-」を行った。保護者対象解説書の取り扱いを綿密に分析し、サルコジ政権下における保育学校政策に及ぼしたAGEEM(全国公立保育学校教員協会)の影響を明らかにした。 前年より行ってきた保育学校・保育所間の日仏共同実践に関する研究成果について、フランス、ヴェルサイユで開催されたAGEEM第92回研究大会(7月3-5日)にて、共同研究’Correspondance platique et visuelle entre la France et le Japon’を発表した。この研究フランス国民教育省総視学官Gilles PETREAULT氏、レユニオン区視学官 Denis OUIN氏らから高い評価を受け、幼児期における表現活動を媒介とした交流に関する研究を継続することとなった。 OMEP(世界幼児教育・保育機構) Asia Pacific Regional(アジア太平洋地域) Conference 2019 in Kyoto(9月5-7日、京都テルサ)にて、第1分科会SDG4.2の話題提供者として、フランスの保育学校との交流や両国の保育者・教員養成授業にも活用されている3か国語平和紙芝居についてその意義を報告した。(運営担当者も兼任) 日本乳幼児教育学会第29回大会(12月7-8日、東北文教大学)にて、研究発表「フランスのAGEEM(全国公立保育学校教員協会)とOMEP(世界幼児教育・保育機構)の関係」を行った。AGEEM設立の1921年以降、第二次世界大戦前後の動向を分析し、世界組織OMEP設立と地歩を固めていく時期にAGEEM関係者が大きな役割を果たしたことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献資料を丁寧に読み込むことによって、フランスかつヨーロッパ社会の激動の歴史の中で、AGEEMの活動が及ぼした国内外への影響を明らかにすることができた。 特に第二次世界大戦前後におけるフランス保育学校の国際的な存在意義を明らかにできたことは大きな成果である。 また、サルコジ政権下における逆風の時代、保育学校の地道な努力が、国民の保育学校に対する理解促進につながり、政権交代へと展開したことも明らかにした。 この「初等教育(保育学校と小学校)重視」の潮流は現在も続いており、継続して研究を行っている。 ただ、3月に予定していたフランス現地での研究活動が、コロナウィルス感染症拡大の影響により、現在のところ中止となっており、再開時期は今のところ未定である。現時点で可能な範囲の資料収集と聞き取り調査を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
フランスにおける研究活動はコロナウィルス感染症の影響で、現地における研究活動および共同研究の進行計画は未定である。 研究発表を予定していた、AGEEM第93回研究大会(フランス、ブレシユー、7月を予定)も10月に延期となったが、渡航制限がある現状にて、発表が可能かどうかも未定の状況である。 当初研究計画にはなかった事態が発生したが、休校措置がとられたフランスにおいて、やはりAGEEMの創意工夫あふれる活動は、外出制限下の子どもと家庭の助けとなり、大きな役割を果たしているようである。これについては、緊急性を持って情報・資料収集し、その役割を解明していきたい。
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