2021 Fiscal Year Research-status Report
History and today's role of AGEEM in France
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18K02448
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
大庭 三枝 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (50413539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フランス / 保育学校 / AGEEM(全国公立保育学校教員協会) / 教員 / ATSEM(保育学校専門職員) / COVID-19 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため2021年度も渡航が禁止され、予定していた第94回AGEEM研究大会(2021年7月、対面)への参加および、AGEEM関係者への聞き取り調査等が実施できなかった。が、フランス保育学校における活動の工夫について、Webによる情報収集、メールによる保育学校教員・国民教育省視学官への聞き取り等、現状における可能な手法で研究を遂行した。 2020年度の研究成果から、学術論文「L'ecole maternelle(保育学校)におけるCOVID-19への対応-AGEEMの取り組みを中心に-」(フランス教育学会紀要第33号、2021、pp.81-86)をまとめ、コロナ禍の保育学校においてAGEEMが果たす役割について考察した。直接体験から心身の発達を遂げる幼児期において、休校期間や活動の制限された状況で、いかに体験的活動を保障するか、家庭における工夫や活動の指導の他、コロナ禍で評価が高まった「屋外保育」の解説をAGEEMが作成し、保育活動の多様化に貢献していることを明らかにした。 幼児期の発達保障の観点から、感染症対策と身体的接触・マスク着用のバランスは、教員とATSEM(保育学校専門職員)の協業と連携について再考する契機となり、研究の過程で顕現化した保育学校における「養護」の重要性について、ATSEMには教育と一体化した養護が求められることを明らかにした。(研究発表「フランスのl'ecole maternelle(保育学校)におけるATSEMの役割り-養護の観点から-」、第27回日本保育保健学会 in ぎふ、2021年5月22-23日) 保育学校教育プログラム改訂に対するAGEEMの姿勢については、「フランスにおける近年のl’ecole maternelle教育プログラムの変遷に関する検討」(日本保育学会第75回大会)にて研究発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度も渡航が禁止されたため、研究協力を取り付けていたAGEEM全国事務局への聞き取り調査および、設立100年の節目となるAGEEM研究大会における現地調査を実施することができなかった。AGEEMの活動や研究大会が保育学校実践に果たす役割について、具体と実際の影響についての調査は2022年度についても、いつ実施できるか不透明な状況である。 特に、2021年はAGEEM創設100周年という記念の年で、研究大会(7月4-6日、対面)においてその歴史的役割の概括他様々な記念的行事が行われ、多くの参加者があったにもかかわらず、参加及び現地調査を断念せざるを得なかった。研究協力を取り付けていただけに、不参加の判断に対し、AGEEM全国事務局及び研究大会実行委員会からは遺憾の意を表明された。現地調査を予定していた2020年度の不参加に続き、2021年度も研究計画上重要な歴史的大会での現地調査ができず、本研究の遂行上極めて重要な機会を失った。 一方、現代的状況として、コロナ禍におけるAGEEMの現代的役割に関しては、Webによるデータ収集やAGEEM関係者や国民教育省視学官とのメールのやり取りから情報を入手することにより、研究を遂行している。しかし、現地調査が不可能である状況では、依然として歴史的な検討に課題が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、海外学会への参加を大学が許可しないので、AGEEM第95回大会(2022年7月)に参加できるかどうか不明の状態である。AGEEM100年の歴史をひもとく上で、現地調査は欠かせないので、大学から渡航が制限されている状況では、研究の著しい遅滞が予想される。 いつになるか予測はつかないが渡航が可能になり次第、AGEEM全国事務局を中心に2021年の研究大会記録を精査し、聞き取り調査を実施したいと考えている。と同時に、現地調査の代替となる調査方法を検討している。 保育学校実践についての調査については、調査受け入れ保育学校は確保している。渡航が可能になり次第、実施する予定ではあるが、大学が許可しない限り計画を立てることも困難な状況である。
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Causes of Carryover |
現在、海外調査への参加を大学が許可しないので、AGEEM研究大会を中心に現地調査ができるかどうか不明の状態である。AGEEM100年の歴史をひもとく上で、現地調査は欠かせないが、大学から渡航が制限されている状況では、研究計画を変更せざるを得ない。いつになるか予測はつかないが、大学が海外渡航を許可し次第、AGEEM全国事務局を中心に研究大会記録を精査した聞き取り調査および保育学校実践調査を実施したいと考えている。と同時に、もし現地調査が不可能な場合の代替となる調査方法を検討している。
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Research Products
(7 results)