2023 Fiscal Year Research-status Report
History and today's role of AGEEM in France
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18K02448
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
大庭 三枝 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (50413539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | AGEEM / フランス / 保育学校 / OMEP |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で明らかとなった、国内組織AGEEMが国際組織OMEP(世界幼児教育・保育機構)と緊密な関係を有した第2次世界大戦後とコロナ禍の時期に焦点を当てて考察した内容を、学術論文「フランスのAGEEM (l’Association Generale des Enseignants des ecoles et classes Maternelles publiques )とOMEP (Organisation Mondiale pour l’Education Prescolaire)との関係に関する考察-OMEP設立前後とコロナ禍に着目して-」(保育者養成教育研究第8号, 2024,印刷中)にまとめた。OMEPの設立(1948)には1921年創立のAGEEM関係者の働きが影響しており、コロナ禍においては乳幼児の心身の発達を保障するための環境をともに考える(屋外保育の再評価)協働体制が見られるなど、AGEEMの国内にとどまらない関係性を明示した。 AGEEMが策定に関与した保育学校教育プログラムの変遷について、2015年の改訂から保育学校の義務化(2019)以降の変遷と背景について、紀要論文「L’ecole maternelle(保育学校)教育プログラムの変遷に関する検討」(福山市立大学教育学部紀要第12巻,2024,pp.35-45)にて論じた。 今日的な動向については、「フランスのl’ecole maternelleにおける子どもの人権に関する取り組み-教育プログラムからの検討-」(単独,ポスター,日本保育学会第76回大会,熊本学園大学,2023)、'Nous pouvons partager nos sentiments sans se voir directement’(単独,口頭,第96回AGEEM研究大会, Roanne, France, 2023)等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍におけるオンラインによる情報収集や会議の進展に加え、海外渡航が比較的容易になったことから、研究資料やデータの質・量ともに向上し、大いに研究が進んだ。特に、文献やオンラインから入手した資料の内容確認等、現地調査にて直接確認できたことにより、研究資料の精度が上がり、確かな論拠に基づいた検討に大いに役立った。その成果を学会誌論文1本、紀要論文1本にて発表することが出来た。こうしたフランスの保育学校事情に関する研究が認められ、幼児教育雑誌(「保育ナビ」フレーベル館)のフランスの保育学校特集にて解説を執筆するなど、研究内容を広く公開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
学会誌に発表した論文は、第2次世界大戦後とコロナ禍におけるAGEEMの国際的役割について検討したものであったため、第2次世界大戦後から2019年までの歩みについては、検討が十分なされているとはいえない。そこで、2024年度は、長年AGEEMの活動に参加し2015年保育学校教育プログラム策定に参加した当時のAGEEM会長への聞き取りと、現AGEEM会員へのアンケート調査を行い、AGEEMが果たしてきた役割と現代的意義を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の期間、現地調査ができなかったため、繰り越しとなっていた調査を次年度に行う。現地調査(インタビュー、アンケート等)を行うための旅費とデータ整理にかかる費用(人件費、USB、SDカード等)、および論文・報告書の印刷費に使用する。
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