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2019 Fiscal Year Research-status Report

子どもの権利の視点に立つNPOの支援構造と倫理的基盤形成のメカニズムに関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K02455
Research InstitutionOtsuma Women's University

Principal Investigator

加藤 悦雄  大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (60299823)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords子どもの最善の利益 / 弱さの思想 / 中動態 / 関係的な倫理
Outline of Annual Research Achievements

2019年度は、主として、次に示す研究を実施してきた。
1.子どもの権利の視点に立つNPO(代表者)に対するヒアリング調査の実施と分析作業。2.1の分析結果の考察に基づく、2種類の仮説の抽出・・・ア.子どもの権利(子どもの最善の利益)に基づく支援内容には、“弱さの思想”に基づく支援が展開されていること、イ.子どもの最善の利益、すなわち“弱さの思想”に基づく支援を可能にする倫理的基盤は、①支援者が最初に“中動態的”な経験(水平的・内在的:内在的な倫理)をもち、その後に②子どもの権利(垂直的・外在的:超越的な法)の内面化を図ることで、形成されていくこと*中動態的な経験が倫理を導き出す背景として、支援者が人と人との関係性に組み込まれ、それらの関係性が支援者の価値観や行動の理由となってくる点を指摘できる。3.2におけるイのメカニズムを導き出すための補足の文献調査として、『中動態の世界―意思と責任の考古学』『実践理性批判』等による文献研究の実施。
上記のうち、途中経過として明らかになった研究成果については、2019年度において紀要論文(1本)と編著本(1冊)を通して報告し、実績として残すことができた(具体的には、・紀要論文テーマ「弱さの思想はどのようにして当事者主体の支援を導き出すのか―児童福祉援助の倫理的基盤を求めて」、・編著本タイトル『〈つながり〉の社会福祉―人びとのエンパワメントを目指して』である)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

主な理由は、次の2点である。
1.研究テーマの問いを導き出すためのデータと仮説を探り当てることができたことと、2.途中経過として明らかになった研究成果を、2019年度において紀要論文(1本)と編著本(1冊)を通して報告できたこと
・紀要論文テーマ「弱さの思想はどのようにして当事者主体の支援を導き出すのか―児童福祉援助の倫理的基盤を求めて」
・編著本タイトル『〈つながり〉の社会福祉―人びとのエンパワメントを目指して』
その一方で、1のデータをさらに増やしたいと考えているため、2020年度は最終年度となるが、データの分析・考察作業、報告書作成と並行して、引き続きデータ収集にも取り組みたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

2020年度は最終年度となるため、主として次の方策をとおして研究の推進を図りたいと考えている。
1.年度末までに3年間の研究報告書を完成させることを目標に置き、計画的に執筆を進めていくこと(印刷製本を含め、1月中旬の完成を目指す)
2.11月にアジア子どもの権利フォーラム(韓国)が予定されており、その場での研究報告を目指し、分析・考察を進めていくこと
3.12月に子どもの権利条約総合研究所研究報告会が予定されており、その場での研究報告を目指し、分析・考察を進めていくこと
4.追加の文献研究とインタビュー調査について、文献についてはすでに早期に購入し読み進めていくこと、また、調査について遅くとも8月までに予定をいれて実施すること

Causes of Carryover

参加を予定していた、アジア子どもの権利フォーラムinネパールが開催国の都合により中止となり、さらに子どもの権利研究会in札幌について新型コロナウィルス感染症拡大により中止となったため、次年度使用額が生じることとなった。
現在も、新型コロナウィルス感染症の影響により、参加予定であった学会等の中止が相次いでいるが、使用計画として、8月以降に実施予定となってる研究発表会や追加のインタビュー調査実施のための出張費として活用したいと考えている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (3 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 弱さの思想はどのようにして当事者主体の支援を導き出すのか―児童福祉援助の倫理的基盤を求めて―2020

    • Author(s)
      加藤悦雄
    • Journal Title

      大妻女子大学家政系研究紀要

      Volume: 56 Pages: 校正中のため未定

  • [Journal Article] 子ども計画2020

    • Author(s)
      加藤悦雄
    • Journal Title

      子どもの権利研究

      Volume: 31 Pages: 197頁、198頁

  • [Journal Article] 書評:虐待死―なぜ起きるのか、どう防ぐか2020

    • Author(s)
      加藤悦雄
    • Journal Title

      子どもの権利研究

      Volume: 31 Pages: 217頁、218頁

  • [Presentation] 保育・支援の質向上に子どもの権利をどう生かすのか2019

    • Author(s)
      加藤悦雄他
    • Organizer
      日本保育学会
  • [Book] 〈つながり〉の社会福祉―人びとのエンパワメントを目指して2020

    • Author(s)
      加藤悦雄、西村昌記、伊藤正子、渡辺芳、熊田博喜、和秀俊、井上修一、寺田貴美代
    • Total Pages
      245頁
    • Publisher
      生活書院
    • ISBN
      978-4-86500-111-2

URL: 

Published: 2021-01-27  

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