2018 Fiscal Year Research-status Report
自分の健康と命を守り、自己を成長させ、体と心と社会的な健康の土台を育む就学前教育
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18K02462
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
渡部 かなえ 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (50262358)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 就学前教育 / 健康 / 日本 / ニュージーランド / スウェーデン / 共育 |
Outline of Annual Research Achievements |
自分の健康と命を守り生涯にわたる健康の実現と維持に必要な力を明らかにすることを目的として、ニュージーランドの幼児教育カリキュラム(Te Whariki)と日本の新しい保育所保育指針・幼稚園教育要領・認定子ども園教育・保育要領の分析を開始した。またニュージーランドで近年広く取り入れられている保育の記録法であるLearning Storyについて、ニュージーランドの就学前教育施設(幼稚園・保育所・保護者主体の自主保育施設)で実地調査(記録の閲覧および保育士へのインタビュー)を行い、Te Whariki(カリキュラム)の概念の保育の現場での実現方法についてのより深い理解と検証を行った。 また保育現場での子どもの観察を、日本の保育所およびニュージーランドの就学前教育施設で行った。これらの成果の一部を、「発育発達と子育て支援の視点から見た日本とニュージーランドの子どもの健康と健康教育」, 人文研究, 197, 43-54, 2019.で報告した。 さらに子どもの支援をすることが、大人の学びと成長の機会になることを検証するためのプレ調査を開始した。学生に保育所での3歳児および4歳児との自由遊びの機会を与え、参与観察(1時間)を3回行ってもらい、参与観察時の子どもと大学生の活動内容・学生自身の振り返り、エピソード記述、学生が見て・感じて・考えたことを日誌に書いて提出して貰った。研究者による学生達の様子と行動変化の観察(メタ観察)と学生達が記載した日誌の質的分析を現在進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の9月にニュージーランドで就学前教育(幼児教育)の視察調査、幼児教育カリキュラム(Te Whariki)と保育記録方法(Learning Story)の調査を行った。 また2019以降に行う予定であった日本の保育所での学生達の保育への参与観察のプレ調査を2018年から開始することができた。 どのような力を育むことを就学前教育は目指しているのかについての検証は、日本の保育所保育指針等とニュージーランドの幼児教育カリキュラム(Te Whariki)は予定通り分析を進めている。スウェーデンの国定の就学前教育カリキュラム(Lpfö 98)は、2019年度から解析を行うことができる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年には、スウェーデンの国定の就学前教育カリキュラムの質的分析(内容分析)を行い、日本の保育所保育指針等およびニュージーランドの幼児教育カリキュラム(Te Whariki)の分析結果との比較検証を行う。またスウェーデンの保育の視察調査を行う。 保育の参与観察(対象:4歳と5歳の子ども達)を行うとともに、2019年度以降に予定していて2018年度にプレ調査を開始することができた学生達の参与観察、および研究者による学生達の観察(メタ観察)を、プレ調査の成果を活用して本格的に開始する。 日本の子どもの健康と命を守るための教育と支援についての2018年度の研究成果を、2019年6月にInternational Academic Conference, Education(ダブリン)で発表する予定である。また、研究者による学生達の様子と行動変化の観察(メタ観察)と学生達が記載した日誌の質的分析のプレ調査の報告を2019年9月の日本体育学会で行う予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度にスウェーデンでの共同研究調査を予定していたが、先方(海外の連携研究者)の都合で2019年度に延期になったため、次年度使用額となる調査旅費が生じた。
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