2021 Fiscal Year Research-status Report
カナダにおける無償制就学前教育の拡大に関する研究ー全日制キンダーガーテン政策
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18K02463
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Research Institution | Den-en Chofu University |
Principal Investigator |
犬塚 典子 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 教授 (70400471)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幼児教育 / 国際比較 / 日本・カナダ比較 / 政策評価 / 教育の無償化 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度も海外渡航の制限があったため、オンラインや文献によってカナダの政策や現場の実践について情報収集を行った。オンタリオ州では全日制キンダーガーテン政策の導入から10年が経過し、4歳児の87%、5歳児の90%が全日制幼稚園に在籍するようになった。同州の制度は他州のモデルとなり、5歳児では全日制が普及した。4歳児についてはノバスコシア州も全日制を開始した。ケベック州も2023年までに全日制を4歳児に拡大する予定である。このような動きを背景に、行政、実践、学術分野において全日制キンダーガーテンに対する政策評価が始まりつつある。 カナダの就学前教育政策の理論的な推進力となっているのは、民間財団の支援を受けてトロント大学大学院オンタリオ教育研究所(OISE)が実施している事業「アトキンソンセンター」である。センターは『就学前教育報告書』(Early Childhood Education Report)を3年に一度公表し、カナダ各州における就学前教育の質の評価指標とそれに基づくアセスメントを行っている。ここでの対象は認可保育、公費小学校の幼稚園課程、私立幼稚園・保育所、先住民のヘッドスタートプログラムなどが含まれる。 以上の動向について情報収集・分析を行い、第75回日本保育学会(オンライン開催)に「カナダにおける就学前教育の発展―オンタリオ州全日制幼稚園政策の10年間―」というタイトルで発表申し込みをして採択され発表動画を投稿した。オンタリオ州の全日制幼稚園政策の特徴としては①0~8歳を対象とするカリキュラムの策定、②教育省による行政一元化、③教員と保育士(Early Childhood Educator)によるチーム制の導入の3つを指摘できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の世界的蔓延が収まらないため海外渡航ができず、カナダでの現地調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響によって本年度前半は現地調査が難しい状況であるが、世界的にワクチン接種が進み出入国制限も緩和される予定であり、今年度後半には計画通りカナダの現地調査を行う。
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Causes of Carryover |
Covid-19パンデミックが終息せずカナダ現地調査を実施できなかった。当初の見込み額と執行額は異なったが、文献・オンラインによる情報収集・意見交換は実施している。出入国制約の緩和が国内外で予定されており、2022年度後半には現地調査を行い、当初の予定通り計画を進めていく。
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Research Products
(1 results)