2019 Fiscal Year Research-status Report
「音と声」に注目した保育者研修プログラムーECERS及び音環境調査に基づいてー
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18K02467
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
埋橋 玲子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (50269924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 善美 平安女学院大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40410956)
西村 真実 帝塚山大学, 教育学部, 准教授 (40413447)
嶋田 容子 金沢学院短期大学, 幼児教育学科, 講師 (60422903)
北野 幸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90309667)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保育の質 / 音環境 / ECERS / 音圧レベル / 保育活動 / 音感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
保育の質測定スケールECERSを用いての調査は、尼崎市を含む京阪神の3市において2019年5~6月に合計30の幼稚園・保育所・こども園の4歳児クラスにて行った。調査にあたっては1園所において2人のアセッサーが担当した。アセッサー全体としては26人を動員し、前年度に評価実習によるトレーニングを行い、信頼性を担保した。2019年10月~2020年2月には2020年度に向けてのアセッサートレーニングを9園において実施した。調査実施にあたってはクラスでの保育観察の他、音環境についての認識を調査するために、対象園・所の園長または主任、クラス担任、調査員による質問紙調査を実施した。さらに、音環境と保育環境の関連性を明らかにするパイロット調査として高槻市内の任意の1園の、建築年数と使用されている資材について条件の異なる複数クラスで音量調査を行った。その際にビデオ撮影を行い、保育活動と対照できるようにした。 本研究の目的1「保育の質の数値化=ECERSの学術的利用」については上記3市の行政担当者の協力により調査園所が確保できた。調査結果についても各園所にフィードバックを行なった。調査園については民間への打診を行なったが「評価」に対して受け入れの素地がなく、調査実行にあたっては公立園所で行政の関与が必須であることが明らかになった。また調査の実行に当たって、調査員のトレーニングにより総合スコアの信頼性は一定程度担保ができたが、項目単位ではなく指標レベルでのデータ採取に当たっては困難が多いことがわかった。音環境と保育活動の対象を行なった結果、静穏な環境であるかどうかの音環境は保育の質の一因をなすとはいえ、子どもの経験の質に注目した時に音環境とは別の要因が影響を与えていることが明らかになった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ECERSの調査結果の分析につき、データの入力ができていない。また、尼崎市内の公立幼稚園・保育所で全29園を対象にECERS調査を行う予定であるが、新型ウィルス感染症対策のため調査の受け入れ、あるいはアセッサーの大半が現職の保育関係者であるため調査に参加してもらうことの見通しについて楽観ができない。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、保育観察により保育の質を調査するとともに対象保育室の音環境を音圧レベルを測定し、その関連性を求める。新型コロナの影響により、保育室の調査やアセッサーの確保に困難があるが、調査期間を伸ばすことにより対応を図りたい。
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Causes of Carryover |
データ記入について先送りしたためであるが、現在他大学研究者の協力を得て入力アプリ開発中であり、完成と調査終了を待ってまとめて記入する。
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Research Products
(3 results)