2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K02468
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上田 憲嗣 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (10325300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 智 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90243740)
安部 孝文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30794953)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動作コオーディネーション / 体力・運動能力 / 安静時機能結合性 / バランス能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、大きく2つの研究をおこなった。 1つは、これまで実施してきたスポーツタレント発掘・育成プログラムに参加するジュニアアスリートを対象とした動きの質的評価の経時変化に関する調査を引き続き行なった。また2つは、動きの質を支える動作コオーディネーションの運動が、脳機能にどのような影響を与えているかについての実証研究を行い、その成果を発表した。 まず、1としては、宮崎県にて行われているスポーツタレント発掘・育成プログラムの応募者(約200名)を対象とし、各応募者の動作の質を支える動作コオー ディネーション能力について、その診断テストを用いて、ジュニアスポーツ選手の動きの質的評価のデータ収集を昨年度に引き続き継続的に行うことができた。この数年はコロナ禍により、十分な測定者数及びデータの種類が確保できなかったが、本年度においては、十分なデータを収集できた。 また、2としては、運動の質的な能力である動作コオーディネーション能力の発揮局面における脳神経系の機序を明らかにするために、全身を使ったバランス運動技能に関する学習として、スラックラインを用いた急性動的バランス訓練を行い、その30分前に記録した安静時機能結合性(rs-FC)と訓練後に記録したrs-FCを比較した。その結果、特定の領域のrs-FCが運動技能学習によって変化することが確認された。これらの研究成果をまとめ、高IF(5.411)の国際誌(Medicine & Science in Sports & Exercise)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度までのコロナ禍の影響で、一時的に縦断データが途切れてしまうこともあったが、2021年度は多くの対象者及びデータを収集できたため。また、新たに取り組んだ動作コオーディネーション能力の脳神経科学的検討について本研究を推進するために意義のある成果が得られた。これらのことより、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、これまで本研究において収集してきた優れたジュニアスポーツ選手を対象とした動きの質に関わる経年縦断測定データを詳細に分析する。さらに、2021年に取り組んだ脳神経科学手法をもとに検証した動作コオーディネーション能力に基づく運動実施時の神経系機序に関わる研究成果を加味して、本研究の目的である「動作の質的評価のための方法」を構築する予定である。 また、研究成果を学会・学術誌等より広く公開することにも、取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による調査及びデータ収集のための旅費等の支出がなかったため。本来は調査・データ収集に経費が発生する予定であったが、収集をオンラインでの収集等の対応を行うことで、研究に必要なデータ収集はできたものの、旅費等の支出の必要がなくなった。
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Research Products
(1 results)