2019 Fiscal Year Research-status Report
岐阜県の放課後子ども教室の実施率向上に資する活動環境整備の研究
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18K02474
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
櫻木 耕史 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90781790)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | こども / 地域 / 学び / 放課後子ども教室 |
Outline of Annual Research Achievements |
放課後子ども教室が実施されていない場所では、どのように取組むのが良いかを、実際の活動を想定して検討を行った。 岐阜県では、小学校が遠過ぎるなどの理由から、放課後子ども教室の形態に向かない場合もあることから、地域と連携した放課後子ども教室のような地域の学びの場の構築方法を検討するため、事例調査と、実際に子どもを対象とした試行的な活動を行い検証した。 小学校と地域施設を利用し、放課後子ども教室に似た取組みを行っている高山市花里地区の取組みの事例調査を行った。その結果、地域の自治会等の枠を越えて、各種団体が連携する組織化が、地域すべての子どもに複数の学びの場を提供できるため効果的であること、活動の拠点となる施設では、各種の団体が日常的に使えること、身近であること、様々な活動に対応できることが求められることを把握した。 また、子どもを対象とした試行的な活動においては、地域と連携した活動内容の検討と、子どもの反応や効果について考察した。まず、活動の検討では、大人も子どもも興味をもつこと、何らかの学びの要素を含むこと、活動が実施されている地域全体への波及効果を考慮した。その上で、地域のシンボルとなっている建物を活かすという観点から漆喰塗のプログラムを採用し、活動に必要な条件を把握した。 子ども達の反応や効果では、子ども達からは良好な評価を得たが、漆喰塗を行う前の学びが重要であること、子どもに分かりやすく伝える為には身近なものに例えるなどの工夫が必要であること、さらに子どもの作業能力の差が大きいことから、目的に応じたプログラムの構築が指導者側に求められることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放課後子ども教室等の地域の学びの場には、「地域の人材」不足が各自治体から聞かれ問題となっているが、今回子どもを対象に実際に近い形で、活動を計画、実施し、また事例調査を行ったところ、組織化の工夫、活動内容の工夫が必要であることが判明し、今後の検討を進めていく上で成果を得たと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に限っては、新型コロナウィルス感染症の関係で、地域の高齢者を含む大人と子どもが密接な環境となる活動を実際に実施することは避けなければならないと考えている。 これまでの成果をさらに見直し、再検討することや、可能であれば事例調査等を増やすことで、新たな知見を得て、最終的な方向性をとりまとめていきたい。
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Causes of Carryover |
地域での応用性を担保するため、活動の実施内容をかなり工夫することで、大幅に費用を圧縮することができた。また、活動実施に協力いただいた子ども団体が研究拠点から近いこともあり、旅費等が大幅に圧縮できた。 次年度は、新型コロナウィルス感染症の状況による研究成果の見直しに必要な、初年度のみ使用することとしていたGISソフトなどの使用料に充てたい。
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Research Products
(2 results)