2020 Fiscal Year Research-status Report
幼小接続期における自己制御を育む養育者と保育者のモニタリング
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18K02479
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
内海 緒香 お茶の水女子大学, 人間発達教育科学研究所, 特任講師 (60735306)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保育の質 / エフォートフルコントロール / 自己制御 / 幼小接続期 / 養育 / 幼児教育 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼小接続期の養育者・保育者のモニタリングと子どもの自己制御との関連を調べることである。自己制御能力は人生早期に著しく発達するため、環境側が果たす役割は大きいと指摘されている (Bernier et al., 2010)。肯定的な養育の中でも、モニタリングは青年期、自律性支援は学童期以上で研究が蓄積されているが、幼児期では少ない。そこで、幼児期の養育と自己制御能力との間の2時点間の関連について調べた。分析に使用したデータは、2017年7月、2018年1月年に調査会社を通じて作成した縦断パネル(幼児教育保育施設の年少/年中学級に通う子どもを持つ父親と母親から成る)である。分析対象者は、半年の期間を置き2回のWEB調査に参加した保護者455名(父親223名,母親232名;男児221名,女児234名)であった。養育(モニタリング・自律性支援)と自己制御との時間的関連を調べるため,交差遅延効果モデルと同時効果モデルを検証したところ,モニタリングと自律性支援は自己制御の原因となり結果となる相乗的相互作用の関係性が認められた。この結果は2020年9月日本心理学会大会で発表した。 本研究から得られた保育者のモニタリングと子どもの適応に関する示唆については、保育の振り返り・研修のためのブックレット『ていねいに観ることから始まる、子どもの探究を支える、保育環境を評価するときの5つの視点』に収録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年7月に同じ参加者に2回目の調査を行う予定であったが、コロナ感染症対策緊急事態宣言が4月から発令され、学校等でも休校や時間短縮の措置が取られるようになったため、2回目の調査実施を11月まで延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
期間内に取得済みデータの解析と学会発表、論文執筆に注力する。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウィルス感染症の影響により、予定していた学会への参加が限られ、得られた知見の発信が困難となった。2021年度の学会にて、2020年度に収集したデータ分析の結果を踏まえた総括となる発表を計画している。
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