• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

戦前の日中両国における保育所の成立と展開に関する比較史研究

Research Project

Project/Area Number 18K02491
Research InstitutionMejiro University

Principal Investigator

日暮 トモ子  目白大学, 人間学部, 准教授 (70564904)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords保育所 / 幼稚園 / 母親 / 子ども観 / 幼保二元化 / 養育の社会化 / 家庭教育
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、戦前の日中両国における保育所の成立と展開にみられる特徴を、近代以降、育児の主たる担い手とされた母親の役割の変容から明らかにすることである。両国はいずれも海外から幼稚園制度を導入し、その一方で、貧民や労働者の子弟のための保育所制度を構築、発展させていった経緯がある。福祉事業としての保育所制度の成立及び展開の過程において、教育事業としての幼稚園制度との相違がどのように論じられ、またその中で、家庭における母親の位置づけがどのように語られていたのかを、比較史の視点から検討するものである。
2020年度は新型コロナの影響のため、現地を訪問しての資料収集は実施できなかったが、インターネットを活用し、国内外の図書館等のデータベースを用いて、主に1920~1930年代の本研究に係る教育家の論説等をはじめ基礎資料を収集し、分析を進めた。また、就学前段階の言語教育に視点を広げ、日本人研究者から家庭における言語教育の扱い、保育者の意識等について聞き取りを行った。さらに、海外(台湾)の教育者・研究者・行政機関の協力を得て、学校関係者に対して、就学前から小学校に至る家庭での言語教育に関する意識に対するアンケート調査を行った。このほか、香港の研究者ともネットワークを継続して維持し、現地の就学前教育の情報に係る意見交換を重ねた。
以上の研究を通じて、日本と海外の就学前段階の制度・政策と家庭教育との関係、そこにおける母親に求められている役割、さらには地域のネットワークから孤立する母親(とりわけ、言語面では外国につながる母親)の現状の一端を把握することができた。制度からこぼれ落ちてしまう母親をサポートする福祉事業としての保育所の意義や役割について歴史的経緯から検証していく視点の必要性を再確認することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度は、新型コロナの影響で海外で直接資料収集ができなかったことが主たる理由として挙げられる。そのため、インターネットを通じて国内外の図書館等にアクセスし史資料収集を進め、一定程度収集し、分析を行うことができた。しかし、アクセスできない資料もあるため、それをカバーするために、オンラインでの専門家や関係者からの情報提供や聞き取りを重ね、より実証的に研究を進めることを計画している。
また、戦前の日本の状況との比較分析が十分に進められていないことが挙げられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、これまで収集した史資料分析をさらに進め、日本との比較の視点から、本研究の総括を行う。海外で直接資料を収集することが今後も困難であることが考えられるため、早い時期にインターネットを通じて国内外の図書館等での史資料収集を行い、その一方で、オンラインでの専門家や関係者からの情報提供や聞き取りを重ねていく。そこから得られた知見を踏まえ、現代まで視野に入れつつ、戦前期の日中両国の保育所の成立および展開にみられる特徴を、家庭における母親の役割変容を分析軸として考察していく。その成果については、国内外の学会等で公表していくことを計画している。

Causes of Carryover

海外調査のための旅費として予算を計上していたが、コロナの影響で実施できなかったことが主たる理由である。
今後は2020年度同様、国内外での文献収集を重点的かつ継続的に行い、オンラインを通じた専門家との情報交換を進め、研究成果の総括として報告書としてまとめることで充当していく。さらに国内外の学会において学会発表や論文として研究成果を公表することを計画している。
可能であれば、2021年度内に一度中国での現地調査を実施し、より実証的なかたちで研究成果としてまとめていく予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) Book (1 results)

  • [Int'l Joint Research] 香港教育大学(その他の国・地域(香港))

    • Country Name
      その他の国・地域(香港)
    • Counterpart Institution
      香港教育大学
  • [Journal Article] 外国につながる保育士の役割とその存在意義-外国につながる若者に対する奨学金支援と保育士養成校の現状に着目して-2020

    • Author(s)
      日暮トモ子
    • Journal Title

      『比較・国際教育学論集』

      Volume: 第8号 Pages: 3-22

  • [Book] アジア教育情報シリーズ 1巻 東アジア・大洋州編2021

    • Author(s)
      大塚豊・日暮トモ子・石川裕之・楊武勲・大和洋子・ルハグワ アリウンジャルガル・青木麻衣子・伊井義人
    • Total Pages
      140
    • Publisher
      一藝社
    • ISBN
      978-4863592278

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi