2019 Fiscal Year Research-status Report
遊びの場・生活の場での高精度運動データで鮮明化する極低出生体重児の運動発達
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18K02493
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| Research Institution | Kitasato University |
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Principal Investigator |
野村 優子 北里大学, 大学病院, 主任 (50790755)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 春彦 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (30274062)
釼持 学 北里大学, 医学部, 診療准教授 (60317039)
大岡 麻理 北里大学, 医学部, 助教 (90458852)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 極低出生体重児 / 体幹機能 / 小型無線多機能センサ / 抗重力運動 / バランス能力 / 歩行分析 / 幼児期 / 健常児 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
極低出生体重児(以下、VLBW児）の乳幼児期の運動能力を定量化するため、体幹の安定性および可動性に着目し、小型無線多機能センサ(以下、慣性センサ)を用いて体幹運動を計測し、その違いを明らかにすることを目的とした。
対象はVLBW児21例(VLBW児群:在胎24週1日から31週3日)と正常出生体重児14例(健常児群:在胎37週0日から41週0日)で、染色体異常、多発奇形、脳性麻痺と診断された症例は除外した。測定時期は修正12か月、修正18か月とした。 慣性センサは、両側肩甲骨中央(肩甲帯)と仙骨中央(骨盤)に装着した。 測定は、対象者にあぐら座位をとらせ、目標物に手を伸ばす運動(リーチ動作)を、おもちゃを用いて左右へ誘導し、2つの慣性センサの相対角度から体幹の運動角度を算出した。また、測定時の体格（身長・体重・頭囲）を診療録より調査し、運動発達はアルバータ乳幼児運動発達検査法(以下、AIMS)で評価した。 統計解析は、両群の体格、体幹運動の最大角度(回旋、屈伸、側屈)、AIMSの総得点を対応のあるt検定を用いて比較し、有意水準は5%未満とした。
結果はVLBW児の屈伸角度は、修正12か月で健常児と比較して小さく(p<0.05)、修正18か月でも同様であった(p=0.07)。回旋角度は、VLBW群は健常児群と比較して修正12か月では小さい傾向があり(p=0.06)、修正18か月では有意に小さかった(p<0.05)。また、測定時の体格、 AIMS、側屈角度は両群比較で有意差はなかった。VLBW児は、健常児と比較して体格や運動発達段階は同じでも、リーチ動作中の体幹-骨盤間の屈伸方向や左右への回旋運動動が小さく、両群の差は自然経過では解消されない可能性が考えられた。慣性センサを用いて体幹-骨盤の運動を定量的に分析することは、観察評価では判断しにくい差を明らかにすることに役立つと思われる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
極低出生体重児(修正12か月)と健常児(生後12か月)の体幹運動における違いについての研究結果を論文投稿中である。
また、体幹運動の違いについて縦断調査を行い、12か月時と18か月時における極低出生体重児と健常児の体幹運動の違いについて、計測データの解析を行なった。結果は、2019年9月に米国にて開催された第73回 American Academy for Cerebral Palsy and Developmental Medicineで発表し、現在、論文投稿に向け準備を進めている。
更に、極低出生体重児と健常児の修正2歳児、3歳児を対象に、静止立位バランスおよび歩行の計測を開始した。
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| Strategy for Future Research Activity |
極低出生体重児と健常児の修正2歳児、3歳児の研究参加者を募集し、幼児期における、歩行能力やバランス能力を圧センサマットや重心動揺計を用いて分析し、両者の運動能力の違いを明確にする。
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| Causes of Carryover |
2019年度は、極低出生体重児の参加者数が少なかったため、次年度使用額が生じた。また、2020年度は、目標の対象者数を目指し、参加者の募集を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)
