2020 Fiscal Year Annual Research Report
Prognosis of mosaic Down syndrome (cytogenetic analysis, clinical findings, childcare, education and social adaptation)
Project/Area Number |
18K02497
|
Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
高野 貴子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (50236246)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ダウン症候群 / モザイク型 / モザイク率 / 染色体検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の研究期間において、モザイク型ダウン症候群患者5人(男1人、女4人)の細胞遺伝学的解析を行った。種々の材料の染色体検査を100細胞行い、出生直後のモザイク率と比べ、時間経過によるモザイク率の変化を解析した。染色体検査を7歳1ヶ月から23歳の時点で行った4人の末梢血培養(B細胞)の染色体G-band分析と21番染色体プローブを用いたFISH検査(以下No.21FISH)では、モザイク率が激減していた(3~8%)。末梢血の採血直後に未培養細胞(骨髄から流血中に出てきた分化血液細胞)で実施したNo.21FISHでも激減していた(1~6%)。しかし、幼少の1名の検査を11ヶ月、2歳9ヶ月、3歳3ヶ月時点で行ったところ、モザイク率は漸減しつつあるが、まだ激減はしていなかった。5人の口腔粘膜細胞のNo.21FISHと2人の抜歯の培養線維芽細胞のNo.21FISHでは、モザイク率の減少は見られなかった。標準型トリソミー21患者7人(16歳~38歳)と転座型患者1人(17歳)で同様の解析を行ったところ、全員染色体検査ではトリソミー21細胞が100%近く維持されていた。従って、モザイク率の時間経過による激減はトリソミーレスキューとは考えにくい。時間経過によるモザイク率の変化について考察した。 また、5人のモザイク型ダウン症候群患者の臨床所見、合併症、生育歴、発達の状況、知能検査、教育と就労の状況を調査した。モザイク型ダウン症候群患者の言語性IQは標準型に比べて高く、学校や職場での社会適応は良好であった。
|
Research Products
(2 results)