2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a reading and writing support method for abused children with the difficulty of self-regulated learning
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18K02502
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
後藤 めぐみ (赤塚メグミ) 常葉大学, 保育学部, 准教授 (30709217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 被虐待児 / 漢字の読み書き学習 / 自己調整学習 / 個別最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に作成した自己調整学習に関する質問紙を公立小学校において実施した。質問紙では、小学校の通常学級に在籍する児童一人ひとりについて、①自己モニタリング的調整、②努力的調整、③プランニング的調整の3つの自己調整力を5件法により回答するよう担任に依頼した。あわせて、国語における学習の習得状況について、5件法により回答を依頼した。具体的には、教科書音読(流暢性)、漢字の読み、語彙理解、単文作りの遂行状況について聴取した。 質問紙調査の結果、漢字の読みが苦手な児童のうち、語彙理解または単文作りで苦手さが重複している児童は、努力的調整およびプランニング的調整が苦手である傾向がうかがえた。しかしながら、一部の児童において、漢字の読み等の学習に苦手さがあっても、「漢字学習で自分なりの工夫をしようとする」あるいは「音読の時に自分なりの工夫をしようとする」という設問において「少し強い」という回答を得られたものが確認された。漢字の読み学習において苦手さのある児童であっても、自己調整力を向上させている児童の背景要因については、本調査において追求することができなかった。この点については、今後の検討が必要である。 一方、被虐待児を対象にした学習支援に関する検討では、昨年までに作成したタブレットPC用教材を「カスタマイズ・アプリ」として改良したものを使用した。改良版アプリでは、学習後に努力的調整や自己モニタリング的調整の程度を振り返るためのフィードバック項目などを追加した。その結果、学習教材の色や背景、課題通過音などを個人の好みにカスタマイズできたことにより、課題遂行段階において注意維持の改善や既存の知識と関連づけた学習行動の増加を確認することができた。
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