2019 Fiscal Year Research-status Report
リスクリテラシー育成モデルに基づく学校安全教育カリキュラムマネジメント
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18K02521
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
渡邉 正樹 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (10202417)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 安全教育 / リスクリテラシー / リスク認知 / 教材づくり / カリキュラムマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
1.小学校高学年児童を対象としたビニエットを用いた仮想の地震・津波発生時での避難行動を調査し解析した論文を投稿し,学会誌(学校保健研究)に掲載された。この研究では,児童の避難行動は災害のリスク認知(脅威および被災可能性)よりも,適切な避難行動に対するベネフィット認知(反応効果性)によって強く影響を受けることを明らかにした。ただし避難行動の自己効力感の影響力は弱かった。このことはこれからの安全教育教材の開発やその実施を進める上で大変役立つと思われる。 2.新学習指導要領に基づき,教科等で行う安全教育の内容に関して,教科横断的に実施する場合を想定して内容整理を行った。その結果については著書「学校安全と危機管理三訂版」における「安全教育の進め方」として公表した。この中では小学生児童が出会う事故事件発生の危険がある状況における危険予測・回避能力を測定するために開発した手法について紹介した。この方法は様々な教科等における安全教育に応用が可能と考えられる。なお引き続き,2020年度発刊の著書においても教育内容に関する成果を発表する予定である。 3.リスクリテラシーを構成する一要因としてニューメラシーが挙げられる。ニューメラシーと健康や安全との関係について,総合的な研究レビューを行った。この成果については2020年度開催の学会にて発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目は主としてこれまでの研究成果をまとめ,学会誌や著書で公表することを主に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年では,リスクリテラシーに関する大規模調査と安全教育カリキュラムマネジメントの研究成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
最終年で大規模な調査を実施するために,平成31年度は支出を抑えた。
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