2021 Fiscal Year Research-status Report
Action research type mountains disaster prevention education in Nepal
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18K02524
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
榊原 保志 信州大学, 教育学部, 名誉教授 (90273060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 雅一 岡山大学, 教育学研究科, 特命教授 (20177827)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自然災害 / 台風 / 防災教育 / 高潮 / ネパール / 融雪型火山泥流 |
Outline of Annual Research Achievements |
該当年度に実施した研究の成果は、気象災害の中の高潮、火山災害の融雪型火山泥流の二つの教育プログラム開発である。前者の気象災害の多くは台風に関係したものが多く、死者数などの被害が多い台風は伊勢湾台風である。その原因は高潮が発生したことといわれる。減災防災教育を進める上で高潮の発生の仕組みの理解は不可欠である。ところがこれまで高潮を扱った指導方法の提案はすくない。その理由に、台風の進行方向の右側と左側で被害の大きさが異なることがわかりにくいことがある。そこで、棒磁石と方位磁針を使って台風の進行方向に向かって右側と左側とで風向の時間変化が異なる様子を再現するモデル教材,および台風通過時のアメダス気象観測データを利用したパソコン実習とモデル教材を利用した風向変化を調べる実習の授業プログラムを開発し,試行授業を通して,その有効性を明らかにした. 後者の火山災害教育に関する実践報告はこれまで少ない。火山噴火は地震や台風と比べ発生頻度は低いが,小規模な噴火であってもひとたび発生すれば火口近傍や山麓地域では大きな被害が生じる.浅間山周辺の自治体の家庭用防災マニュアルには,浅間山における火山対策の章において,噴火で発生する現象として火砕流や噴石の他に,融雪型火山泥流が紹介されている.融雪型火山泥流は中学校理科の教科書に登場しないが,積雪の多い活火山を擁する自治体の子どもたちは,遭遇する可能性があるため知っておくべき現象である.融雪型火山泥流のモデル教材を開発し、中学校で試行授業を行ったところ本教材は融雪型火山泥流の理解に有効であることが明らかになった。 本研究はネパール国で授業実践を含む調査に基づく計画であったが、コロナウイルス蔓延のため海外渡航が制限され、該当年度の研究成果は日本国内におけるものになった。海外調査が可能になればネパール国で調査を行い、今回の結果と比較するうえで意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、ネパールの現地校で授業実践を行いながら自然災害、防災教育の方法を明らかにするものである。ところが、コロナウイルス蔓延のため海外渡航が制限され、海外調査ができなかった。現地のカウンターパートの方と連絡を取ると、ネパールにおいてもコロナウイルス蔓延しているとのことであり、現地の医療事情を考えるとネパール渡航は控えざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発が進めばネパール渡航が可能になると期待している。そうなればネパール協力校において授業実践を行い、今回の日本国内の研究成果と比較研究を行う予。授業プログラムについては現地のカウンターパートの方に相談して、現地の生徒の実情に合わせた現授業プログラムに修正を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延のため海外渡航が制限され、海外調査ができなかったために次年度使用額(B-A)が「0」より大きくなった。この予算を本年度の国際学会に参加およびネパール現地調査のために使用する。
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